ヒューリスティック よみ:ひゅーりすてぃっく、英字:heuristic. ヒューリスティック、またはヒュリスティック(ヒューリスティックス、ヒュリスティックス [heuristics]とも)とは、ある程度正解に近い解を見つけ出すための経験則や発見方法のことで、「発見法」とも呼ばれます。. いつも正解するとは限らないが、おおむね正解するという直感的な思考方法で、たとえば、服装からその人の性格や職業を判断するといったことは、ヒューリステックな方法といえます。. 理論的に正しい解を求め、コンピュータのプログラムなどに活用される「 アルゴリズム 」に対置する概念です。

 

 

 

代表性ヒューリスティック

代表性ヒューリスティックとは、典型的なイメージで判断することです。事例は下記の通りです。 ・料理をしているのは、夫ではなく妻だろう。 ・ブランド物であれば間違いなく品質は高いはずだ。 ・窓ガラスを割ったのは、不良の男子学生だろう。 「夫婦の役割分担で、妻が料理を担当することが多い」「以前買ったブランド物の品質が高かった」「不良の男性学生は物を壊してストレス発散する」といった経験則や憶測をもとに、目の前の個別の状況を判断することを代表性ヒューリスティックといいます。 個人的な経験や考えを一般化したり拡大解釈したりすることは、場合によっては人を傷つけることにもつながるため注意が必要です。

利用可能性ヒューリスティック

利用可能性ヒューリスティックとは、簡単に思い出せる事例をもとに判断を下すことです。事例は下記の通りです。 ・どの洗剤を買うべきか迷ったとき、いつもCMで目にする洗剤の方が品質が高く思え、購入した。 ・ある国でのテロのニュースを見たあと、その国を避けてGWの旅行先を決めた。 ・SNSで友人がおすすめしていた洋服を買った。 事例をもとに解説すると、実際に成分を比較したり、海外の犯罪発生率を比較したりするのではなく、思い出しやすい情報をもとに判断することを利用可能性ヒューリスティックといいます。 思い出しやすい情報には、テレビCM、最近見たニュース、SNSでの友人の口コミなどがあります。

 

固着性ヒューリスティック

固着性ヒューリスティックとは、最初に与えられた情報を基準に判断することです。事例は下記の通りです。 ・本来は5万円の商品だが期間限定で3万円で購入できると聞き、つい購入にいたった。 ・分析資料の作成には5日かかる。顧客に事前に伝える期間を1週間から2週間に変えたところ、提出日は変わらないのに顧客の満足度が向上した。 人間は無意識に最初に与えられた情報を基準として、その次に与えられた情報を判断します。「期間限定」「本日限り」などの文言があると、その商品がより魅力的に思えるのも、固着性ヒューリスティックによるものです。 固着性ヒューリスティックはマーケティングで積極的に活用されています。