母の日にガーベラ


「おかあさん」と呟く。
「おかあさん」と呟くたびに
胸が締め付けられる感じがする。

私には二人の母がいる。
私は母にぎゅーっとされた
記憶はない。
私を産んでくれた母は
きっとぎゅーっとしてくれたと思う。
記憶がないのは申し訳ないと思う。
私は母の歳をとっくに
追い越してしまった。

私を育ててくれた母には
遠慮があって
いつも顔色を伺っていた。
良い子でいなくちゃいけなかった。
良い子とは母の云う通りの子。
家のことをやって
弟たちの面倒を見る。
口答えしない。
口答えしちゃいけない。

私はそれが嫌で
母の云う通りには出来なかった。

矛盾してるよね。
顔色を伺いながら
怒らせてばかりいた。
怒られてばかりいた。

普通の家庭に憧れた。
甘やかしてくれる親に憧れた。
亡くなった母を想って泣いた。
布団の中で泣いた。

今の母に素直になれない
何も相談できない
その頃の子どもな
私が、いた。

親子関係では、なくなっていた。
ただ世間的に親子だったんだと思う。


そんな母でも認知症が少しずつ進み
昔とは違った人になっている。
年老いた感じの母に会うたびに
湧いてくる感情は何だろうか。

母の日に
鉢植えの赤いカーネーションを
持って今の母に会いに行った。

白とピンクのカーネーションを
持ってお墓参りに行った。

どちらの母もいなければ
今の私は居ないと思う。
それは確かだ。

そう思うと感謝しかない。
産んでくれてありがとうラブラブ
育ててくれてありがとうラブラブ
おかげさまです。



令和 3年母の日の
今の素直な気持ちを
残しておきます。
二人の母へ。


感情そのまま書き綴ったのを
最後までお読み頂き
ありがとうございます。

ありがとう龍
全てに感謝です龍