ビジネス書について思うこと | 仕事道

ビジネス書について思うこと

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大きな本屋のビジネス書コーナーに行くと、

ハードカバーで装丁されて鎮座しているドラッカーや松下幸之助、

新書で平積みになっている、「○○仕事術」などが書いてあるものなど、

色々な書籍が置いてある。



仕事でもスポーツでも勉強でも、自分だけの力で上達する事は容易ではない。

誰かが書いた本を読んだり、先輩や先生の教えを受けて始めて、

過去に色々な人達が失敗を積み重ねて試行錯誤された上で、

成り立ってきたやり方というものを知る事が出来る。

限られた自分の時間や使えるエネルギーの中で、

これらを知らないまま上達する事は不可能と言ってもいい。



でも、生半可にこういった仕事術的なものをかいつまんで読むだけだと、

自分だけが物事の正解を知ってしまったような、

真実の書、魔法の杖を手に入れたような錯覚に陥ってしまう事もある。

そのやり方を鵜呑みにする事で、

自分の考えやなぜそうなっているのかを理解する機会を失ってしまう危険性もある。



特に最初に読んだ本というのは、自分に大きな影響を与える。

一番インパクトを受けやすいので、それを理解出来ない人を排除したい心理状態になったり、

他のやり方は間違っているという勘違いさえ、多かれ少なかれ起きる危険性がある。



しかし、これらのものを長い間かけてたくさん読んでいくと、

数十年経って世の中の環境が変わっても、変わらず語り継がれているようなものと、

その時代のトレンドやテクニック的な事を書いてあるようなもの、

それらを要約したりアレンジしたりしたようなもの、

いくつかの種類に分かれているという事が少しづつ見えて来る。



そして、100人居れば100人の、

100個の会社があればその環境やその時にベストなやり方はがあり、

その時にそこでしか通用しない仕事術や問題解決法があり、

それはどの本にも正解が書いていない事がわかる。



自分で今の状況を見極め、先人の知恵を参考にしながらも、

誰よりも深く考え、自分と違う考えの人とも協調する事でしか、

問題は解決出来ないという事もわかってくる。