★★★

テーブルの上には、炒飯と餃子。
しかも、二つ並んで置いてある…

「……なんで?」

『あ~っ!やっぱ夜に中華は濃かった感じ?

いや、悩んだんだけどね?ちょうど材料があったし。

まぁ、餃子は冷凍だけどね?結構イケるよ?』

かずさんは、ゆっくり身体を起こすと、テーブルに近づいてくる。

「いや…そういう事じゃ……」

『も~、めっちゃ腹減った~!とりあえず早く食べよ?

あ、先、着替える??

スープもあるからあっためるよ。』

どうして………?
なんで、ここに居るの??

アタシの頭の中は、??マークだらけで、アタシを通り越してキッチンに向かうかずさんを不思議な気持ちで見ていた。

「あ……、うん。

着替えてくる。」

アタシはとりあえず気持ちを落ち着かせるために、寝室に入った。

胸がドキドキしてる……

だって昨日…あんな事があったのに…

かずさんは、まるで何にもなかったみたいに、変わらなくて……

なんかずっとここに居たみたいに、普通で……

どうして?

アタシは着ていたスーツを脱ぎ捨てると、部屋着に着替えた。


そっとドアを開けて、リビングを伺うと、ちょうどかずさんがスープの入ったカップを運んで来るところだった。

『出来ましたよ?』

そういってアタシにニコッと首を傾けて笑った。

ドクンッ……と心臓が跳ねた。

この人は……一体 何を考えてるんだろう?

「あ……、うん。ありがと」

その美味しそうな匂いにギュルル~…とお腹が鳴った。

まぁ、とりあえず食べよっか。

アタシはダイニングテーブルの椅子に腰を下ろした。

「………美味しそう…」

『だろっ?これ、めっちゃ旨いからね!』

いつもコンビニ弁当か、店屋物の出前ばっかりで、こんな風に誰かが作ってくれたあったかいご飯って…いつぶりだろう?

お腹が減っていたアタシはスプーンを持って食べようとした。

『いただきます……は?』

それを自分のスプーンで制止して、ニヤリと笑うかずさん。

「あ………、いただきます。」

『はい、どうぞ。召し上がれ♪

あ~、腹減ったぁ~!いただきま~す。』

その夜、二人で食べた炒飯は、今まで食べたどんな炒飯よりも極上で美味しかった。

★★★

一人より、二人が美味しいね♪

今夜は炒飯にしようかしら?(笑)

餃子は味の素でね?ww