★★★

あ~……マジで最悪。
どうしよ…………。

いつもの癖で、家に帰ったら何も持たずにそのままバスルームに直行してしまったアタシ。

長く一人暮らししてるから、誰の目も気にせず、シャワーから出たらしばらくバスタオル一枚か、暑い時はパンツ一枚の姿でウロウロしたりするアタシ。

あ~~……
完全にやっちゃってる…。
もぉ~、これ、どーすんのよ?

着替えもいつもの癖で全部洗濯機に入れちゃったし、乾燥機にかけたとしても今からトータルで一体何時間かかるんだか……

今、アタシの前にあるのはバスタオルが2枚と数枚のタオルのみ。

着替えが置いてある寝室までは、彼が居るリビングを通らなければいけない造りになってる訳で………

あぁ………アタシって、なんて馬鹿なんだろ。

しばらくバスルームで考えてみたけど、だんだんと身体も冷えてきて、ずっとこうしている訳にもいかず…

とりあえずアタシはバスタオルを身体にグルグルと巻いて、もう一枚を肩から羽織った。

そぉ~っと足音を忍ばせてリビングを覗いてみると……

「あ………」

彼はソファーの上で座ったままで目を閉じていた。

なんだ……寝ちゃったんだ…?

ねぇ、もしかして今がチャンスなんじゃない?!

今のうちに一気にあのソファーの奥にある寝室のドア目指してダッシュすれば行けんじゃない??

アタシは強行突破を試みる事にした。

彼の足元にはみかんが居て、アタシに気づいて耳をピンッと立てて身体を起こす。

お願い……みかん、
いい子だから、今は大人しくしててね?


アタシはゆっくりとリビングのドアを開けると、そぉっと足音を立てないようにゆっくり…ゆっくりリビングへと足を踏み入れた。


★★★


頼むよ~、みかん!


かずさん、頼むから起きないで~!!

いや……起きて…?( ̄∀ ̄+)ワラ