★★★

「えっ!みかん…が?!いつからそっちに?」

『ん~、朝から?たぶんあなたが行ったあと、すぐ来たよ?』

わ~、わ~、わ~!もぅ!!みかんってば、ありえない!

「それはお世話になりました…」

そういって頭を下げるアタシなんて全然スルーして、彼は廊下をペタペタ歩いていく。

ポケットから鍵を出すと部屋の鍵を開けて、どうぞ…って手の平でアタシを中に招き入れる仕草。

「いやっ、アタシはここで…」

そういいかけたアタシの手首をグイッと引っ張って中に引き入れるとドアを閉めて、ちょっとだけ怖い顔になったかずさん。

『誰かに見られたりしたら俺が困んの。

とりあえず入れば?ミーコさん、たぶん寝てますから。』

そういって、またフワッと笑顔になると靴を脱いで中へと入っていく。

「あ……、アタシのお弁当……」

そっか……芸能関係者…だもんね?一応。
スキャンダルとかになったら困るのは当たり前か。

「おじゃまします……」

お弁当も持って行かれちゃったし、みかんも引き取らなきゃだし、アタシは仕方なく上がる事にした。

リビングのソファーの上では、みかんがトレーナーに包まって気持ち良さそうに眠っていた。

かずさんは、そっと近づいてソファーの下に座ると愛おしそうにみかんの身体を撫でた。

何故かそんな彼にドキッ…としてるアタシ。
自分が撫でられた訳じゃないのに……


『あ、テキトーにどうぞ?』

「あっ、うん。」

とりあえず、お腹が空いていたアタシはダイニングテーブルに座ってお弁当を食べる事にした。

ジャケットを脱いで、椅子の背もたれに引っ掛けて、シャツのボタンを一つ緩めたらホッとする。

ホントは早くこの鎧(スーツ)を脱いでしまいたいけど……さすがにね?

お弁当を食べていると、かずさんがアタシの向かいに座った。

勝手にアタシの買物袋からビールを二つ出すと、そのうちの一つを開けてカンッ…とアタシのビールに当てた。

テレビを見ながらお互い何にも話さないけど、不思議な空気感……

かずさんは、スナック菓子をおつまみにビールを飲んで幸せそうに『くぅ~っ!うめぇ~なぁ』とか言いながらパリパリと音を立てた。

いつもは一人の夜食が、ちょっとだけ幸せだった。

★★★

上がっちゃいました(笑)
そして勝手に人のビール飲むニノちゃんw

さて、みかんちゃん…、もうちょっと寝てていいよ?