★★★

それから松本さんが持って帰って来てくれた叙々苑弁当を食べて、二人でたわいもない話しをしたりして、その夜は更けていった。

アタシが見つけた秘密で、松本さんは大笑いした。
ちょっと的が外れてたのかな?

だけど、そう遠くもないらしい。

…だとしたら、松本さんって一体何をしてる人なんだろう?

それ以上は追究してはいけないような気がして、アタシは話しを変えた。


みかんは、すっかり松本さんに懐いて、松本さんの膝の上でまぁるくなって眠っていた。

「そういえば……松本さんは…

“かず”…さん…って言うんですか?」

そういったアタシに、

『さぁ……そんな名前だったかな?』

ってちょっと小首を傾げて、ゲーム機の電源を入れながら笑った。

寝室で散らばった楽譜には、“Kazu”ってサインが入っていたから、たぶんそう。

―― 松本 かず ――

うん、ちょっと有名な人っぽい名前な気もするような……


時刻は午前1時をちょっと過ぎて、アタシは眠くなってあくびをした。

『あ、ワタシまだしばらく起きてるんで…

***ちゃんはベット使っていいよ?』

そんなアタシを見て、ニッコリと笑う。
突然、名前に“ちゃん”付けされて、サラリと呼ばれて、ドキドキした。

もうそんな風に呼ばれる年でもないのに。
何か恥ずかしい。

「あ……、でも、かず…さんは?」

そして、アタシも何となく名前で呼んでみた。

『あぁ、ワタシはテキトーにここで寝ますから。』

「でも、それじゃあ……」

それじゃあ、ゆっくり寝れない……って言おうとしたアタシに、かずさんは笑った。

『女の子、こんなとこに寝かせられる訳ないでしょ?』

メガネの奥で茶色い瞳が甘く光ったような気がした。

かずさんは、優しくて自然体で、きっと細やかなところにも気が利くような人なんだと思う。

「あ……、じゃあ…。お言葉に甘えて。」

そういって、かずさんにお礼を言って寝室を借りたけど、

お布団にたっぷり染み込んでいる男の人の匂いに、ドキドキして眠れなかった。


★★★

なんかいいムードドキドキ

かずさん。

ちょっと楽しそうw

そして、アタシも楽しい(笑)