★★★

みかんを見つけた松本さんの寝室で…アタシは、たぶん…見てはいけないものを見てしまった。

バラバラと床に散らばる書類や本たちを、アタシは慌てて拾い集めながら、バクバクと音を立てて波打っている心臓を抑えるのが必死だった。

まさか………
いやいや、だって…ありえないでしょう?

本当にホント?!
これって夢じゃないよね?

アタシは、ベットの隅でミャーミャー鳴いてるみかんを抱き上げると、

何事もなかったように、きちんと書類や本を元通りに戻して、リビングへと戻った。


リビングに戻ったアタシは、とりあえずソファーに座ったものの落ち着かなくて、みかんを膝の上に乗せたまま、ギュッと膝を抱えた。


ちょっと、マジで?
こんな事って、有り得るの?!

まるで、小説かドラマみたいな展開じゃない?!

え~っと、え~っと……
ちょっと、待ってよ??

とりあえず、落ち着こう。落ち着け、アタシ!!

いや、これが落ち着いてなんか居られないよ!


アタシは混乱する頭を抱えながら、一人でブツブツとまるで呪文でも唱えるみたいに独り言を言った。

もし、あれが本当なのだとしたら……

アタシが今……ここに居るって、ありえない事なのよね?!

だって、これって考えたらすごい事だよ??
ねぇ、ちょっと、マジですごくない?

ど~しよ~?!
めちゃくちゃヤバいよ……

だって、アタシは知ってしまったの…
松本さんの正体を…!!


彼の………



秘密を。


★★★


秘密(笑)


あっ、秘密っぽくなってきたww


だ~か~ら~っ!!

何見たの~~?!