★★★

『相応しいかどうかはオレが決める事だろ?

勝手に決めんなよ!』

相応しくない…と言った私に、翔くんが声を荒げた。
こんなに激しい翔くんは、初めて見たかも…

『…ごめん、つい。』

翔くんが私に謝った。

ここまで来て、私は何を躊躇っているの?
このまま翔くんの胸に素直に飛び込む事が出来たならどんなに楽だろう。

だけど、翔くんの事を考えたら、やっぱり私なんかが翔くんの隣に居るなんて…ダメなんじゃないかって思えて…あと一歩の勇気がでない。

『なぁ…頼むから、こっち向いてよ?

手荒な真似はしたくないの。』

優しく、でもハッキリと翔くんが私に言った。

ここまで来て、もう今さら逃げられるはずもなく…
私は観念して、ゆっくりと振り返った。

まず目に入ってきたのは、翔くんがよく履いている靴…そしてゆっくりと、恐る恐る顔を上げた先には、優しく笑う翔くんが居た。

「……あ、、、」

思ったより近く…手を伸ばせばすぐに触れるくらいの距離に翔くんが居た。

思わず目を逸らしてしまいたくなるくらいに、翔くんは私を真っ直ぐな視線で見つめている。

『あぁ~~、やっと顔見れたぁ~♪』

そういって私が大好きな笑顔で、翔くんは目を細めて笑った。

一気に心臓がありえない速さで刻み出す。


やっぱり私は………私は……

翔くんが好き―――改めて思った。




『やっと、こっち向いてくれたね?

…来てくれて、ありがとう。』

目の前に翔くんが居て、私にゆっくりと語りかけている。
ありえないこの光景に胸が熱くなり、瞳からはとめどなく涙が溢れ出た。

もうずっと逢えないと…逢ってはいけないと思っていた人。

私は黙ったまま、ただ涙を流し、声も出せずに立っていた。

『…嵌めてくれてるんだ?』

そういって翔くんが私の手を取り腕時計をそっと指先で触れた。

「あっ、あの…これ…返しに…

あっ!」

そのまま翔くんは、私の手首を掴んでグイッと自分へと引き寄せて、私を胸に抱きしめた。

翔くんの腕の中で私は、身動きが取れなくなる。

「ちょっ…!ダメ…ですって

お願い…離して…」

胸を手で押し戻そうとしても、翔くんはギュッと強く、私を抱きしめていた。

『やっと掴まえたぁ……

ダメ…もう、離さないから。』

耳の奥で翔くんの優しい声がした。

★★★

いよいよ残り3話!!!!!!ラストまで突っ走ります~~DASH!DASH!DASH!DASH!