★★★

「はじめまして・・・。******です。よろしくお願いいたします。」

振り返ったオレの目に入って来たその女性に・・・オレは一瞬にして全部の機能がフリーズしたみたいに停止した。

長かった髪をバッサリと肩まで切って、べっ甲の眼鏡をかけている。
姿は変わっても、そこには一年前 オレが好きだった笑顔で笑う彼女が居た。

彼女はゆっくりとオレに向かって頭を下げた。

〈こちらが我が図書館の副館長です。・・・・あの・・・?櫻井さん???どうかされましたか?〉

館長さんの声にオレはハッと我に返った。

『えっ・・・あ、はい、いえ…。
はじめまして・・・・ 櫻井翔です。
今日はよろしくお願いします。』

〈じゃあ、***さん・・・あとはよろしく。 僕はこれから東京の方へ行ってくるから。

それでは櫻井さん、私はこれで失礼します。どうぞごゆっくり。〉

そういって館長さんは、オレに一礼してから、彼女の肩をポンっと叩くと、図書館を出て行った。

オレはそんな館長さんに一礼して彼を見送った。

「では・・・こちらへどうぞ。」

彼女に言われるままにオレはカメラマンやスタッフを引きつれて小さな会議室へと案内された。

まるで夢を見ているみたいな不思議な感覚に包まれている。

スタッフが彼女に今日の取材の説明をして、カメラさんや音響が着々と準備を始めている。

オレだけ時間が止まったみたいに…取り残されたみたいに置いて行かれてて、彼女に何か話したいのにこんな中じゃ会話する事さえ許されない。

何だかとてつもなくデッカイ壁を感じた。

取材用の原稿を渡されて、ヘアメイクさんがオレを人形みたいに仕上げていく。

《……と言う感じでいいですか?

あの……翔さん?!》

『はいっ!…えっ?あっ、何でしたっけ??』

スタッフの声にハッとした。
駄目だ…今は仕事なんだから、気持ち切り替えなきゃ!

でも…何でここに彼女が…?
こんなところに居るんだ…?

《じゃあ、そんな感じで行きますんで!
お願いしま~す。》

オレの気持ちは置いていかれたままで、取材は始まった。

★★★

二人の前に立ちはだかる大きな壁……

翔くん、がんばって~!!

手が届く距離に居るのに…ね(>_<)