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《あっ!***さん、今日の午前中、ちょっとテレビの取材が来るから、申し訳ないけど、出来れば女性で…って事だから、君にお願いしてもいいかな?》

朝、出勤すると館長が私に言った。

「えっ?テレビ?!取材…ですか?!」

《えっと…なんだったかなぁ?
夜のニュース番組らしいんだけど…何か数字みたいなタイトルで…

この、こども図書館を取材したいんだそうだ。》

私の胸は張り裂けそうな程に、締め付けられて、一瞬で沸騰していく…。

「もしかして、それって…ZERO…ですか?!」

《おぉ~!そうそう、そのゼロとか言う番組!

もうすぐ到着するって、今電話があったから。》

そう言うと館長は有無を言わさず行ってしまった…

もうすぐ…って!
まさか、こんなところに取材?

いや…まだそうと決まった訳じゃないし…

落ち着こう。
とりあえず落ち着いて…

私は気持ちを落ち着かせ、着替えをするために更衣室へと向かった。



しばらくすると外が騒がしくなり、館長の笑い声が聞こえる。

どうしよう…
私が行かないとマズいのよね?

これは仕事…、そう、仕事なんだから…

フゥーっと深呼吸をして、更衣室を出る。

恐る恐る、歩いて行くと館長を囲んで数人の人が居て、

その中にひときわ輝きを放つキラキラと眩しい男性の横顔が見えた。

きちんとしたスーツに身を包み、髪型も整えて、姿勢正しく館長に頭を下げている彼は、

一年前と何一つ変わらない…いや、一年前よりもさらに素敵で、私を魅了する。

一瞬で私の心を奪ってゆく…

この一年…テレビもDVDも音楽も…すべて封印して来たと言うのに、

呆気なく一瞬で…彼は私の心の中をすべて埋め尽くしていった。



私が選んだ絵本をパラパラとめくりながら楽しそうに笑みを浮かべている。

何故、また私の前に現れたの?

もう…忘れてしまいたいのに…
忘れられなかった愛しい人…

「すみません…お待たせしてしまって申し訳ありません。」

…声が震えた。

絵本をめくっていた彼の手が止まり、ゆっくりとこちらを振り返る。

大きくて真ん丸なその瞳が、私を捉えて…そして、さらに大きく見開く…

動揺しては駄目…これは仕事なんだから……

私は自分に出来る精一杯の笑顔を彼に向けた。

「はじめまして。******です。よろしくお願い致します。」

私は頭を下げた。

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再会した二人……ドキドキ