★★★

ピンポーン。

夕暮れの部屋にインターフォンが、誰かの訪問を告げる。

こんな時間に…誰?

一人で暮らすようになってから、インターフォンが鳴るなんて、宅配便か新聞の勧誘、たまに聖書を持った宗教のオバサンが来るくらい。

こんな大都会では、心から信頼出来る友達も、心許せる知人もいない。

気がつけば部屋の明かりさえつけて居なかった事に気づく。

泣き腫らした目からは、もう涙は枯れて私は抜け殻みたいにただぼんやりしていた。

薄暗い部屋の真ん中に一人。まるで世界から取り残されたみたいで、急に恐怖が押し寄せてきて、私は自分の身体を両手で抱きしめた。

ピンポーン

またインターフォンが鳴る。

何か荷物でも届いたのかな?
また田舎の母から大きな段ボールいっぱいの野菜でも来た?

ゆっくりと玄関に向かって、ドアに手をかけようとして手が止まった。


コンコンコン

ドアの外で小さくノックする音がした。


―― 頼むから…出てくれよ…


外から小さく曇った声…

それは彼の声だった。


「…翔くん…?どうして…」

私は思わず出した手を引っ込めて、後ずさりした。

なおもインターフォンが鳴り続け、ドアがノックされる。


大好きな彼がそこに居る。

だけど―――

私には、もう彼に会う資格なんてない。

「…ごめんなさい」

私は小さく何度もつぶやいていた。

枯れたはずの涙が、また溢れ出す。

涙はどこからやってくるんだろう?

彼の足音が去っていくのを聞きながら、真っ暗な部屋の中で私は泣いた。

★★★

週末うっかり予約更新するの忘れてました💦ごめんちゃい🙏

このあと3本アップします!!


まだまだ切ない街道で、ごめん(ρ_;)

あぁ~、辛いね。