★★★

―― 今のままじゃ、後悔すんじゃねぇの?

リーダーの言葉が頭ん中でこだまする。


後悔なら、もうとっくにしてる・・・


どうして彼女と出逢ってしまったんだろう・・・・・

なんで、恋なんてしちゃったんだろう・・・・ってな。


もう、恋はしないってあの時、決めてたはずなのに・・・




この仕事をしている限り、オレたちに自由な恋愛なんて許されない。

夢を売ってる以上、オレはオレであってオレでない。

“櫻井翔”という商品であり、“嵐”という偶像・・・・


誰か一人だけのものには、なれない。

たとえ、それを誰かに求められても、


なっちゃいけないんだ。


今は、まだ。



そう、


解っていたつもりなのに・・・

あの時のオレは止める事が出来なかった。


そういえば、デビューして売れ始めた頃に先輩から聞かされた事があったっけ・・・?

ファンというのを隠して、一般人に混じって近付いてくる人も居るから気をつけろって・・・


素知らぬ振りして近付いてくるストーカーが一番厄介だから・・・って。


今になって、今さらやっと思い出した。


馬鹿だ……オレ。


すっかり騙されちまうなんてな…

笑っちゃうよ。



でも、


まさか彼女が、オレに嘘をついてたなんて…

今もまだ信じられない…

信じたくない。


だけど、これが現実で…


いっそ、すべてが夢ならよかったのに…



夢なら早く醒めてくれ。


気まぐれでも、嘘でもいいから、

もう時間が無いんだ…

彼女の言葉、繰り返して 思い出しても、


やっぱり 信じられない。


あんな風に騙されて、嘘つかれてもなお、



やっぱりオレは………














君が好きだ。



★★★

やっと自分の気持ちに気づいた翔くん。

彼女に想いが届くといいなぁ…

届くのか??