★★★
コンサートまで、あと一週間、映画も無事に初日を迎えて、ようやく少し時間が出来たから、

今夜は彼女と二人で会う事になった。

初めて二人っきりでの食事。

なんか、すげー緊張して朝からソワソワした。

店は前から決めていた、ちょっと小洒落れた和風懐石料理の店。

イタリアンとか、フレンチ……って言うより、何となく彼女のイメージっつうか、

せっかくなら二人っきりで、ゆっくり話ながら、しっとりと…。

決め手はやっぱり個室風に仕切られた空間。

完全個室……じゃなくて、あくまでもついたてで簡単に仕切られた個室風。

その一番奥の隅っこの席を、リザーブした。


下手に騒がれたりしても困るけど、なるべく彼女に合わせて、飾らず普通に行きたかった。


今日は遅れたりしないように、午後からはオフにしてもらった。


彼女、気に入ってくれるといいな。


オレは待ち合わせ場所のカフェに、少し早めに着いて彼女の笑顔を思い浮かべたりした。


ウインドウに写る自分の姿を、ちょっと気にしてみたりして、

まるで初デートする学生時代みたいに、

甘くて、酸っぱい想い。


これを恋…って呼ぶのかな?


やべぇよ………マジで。


オレはカフェの奥の席で、熱くなる顔を両手でペチペチと叩いた。



「………あの………お待たせしました。」


背中で少し控えめな声がして、オレの心臓は一気に跳ね上がった。


ドクン…ドクン…ドクン…


立ち上がって、ゆっくりと振り返ると、そこには見違えるほど可愛く着飾った彼女が、恥ずかしそうに顔を赤らめて立っていた。


やべ…………


だから、


マジで、やべぇ…って。


視線と視線がぶつかると、彼女は優しい笑顔をオレに向けた。


その笑顔に…また一つ、ドクン…と胸が鳴ったような気がした。


★★★

ドキドキ💓

少しづつ近づいていく距離〜♪