★★★
そろそろ時計の針は20時を指そうとしてる。
彼女に電話する…って、約束した時間。
それなのに、時間を過ぎても一向に終わらないリハにオレは少し苛ついていた…
「ねぇ、翔ちゃん、なにさっきから時計ばっか気にしてんの?」
『えっ?いやっ、別に…、してねぇよ?』
「してるよ~?あ、ほら、また見た!なに?何か約束でもあんの?」
こんな時は、そっとしといて欲しいのに、やたら絡んでくるメンバーたちに苛々する。
『何でもねぇって!ほら、次、早くやんぞ!』
そうしてただ過ぎていく時間に、オレは諦めにも似たものを感じていた。
オレたちの仕事は、こうやって約束さえちゃんと守る事も出来なくて、
今まで、一体どれだけの大切な人を傷付けたり失ってきただろう。
やっぱりオレには、普通の女の子との恋愛なんて、無理なのか?
「翔さん、あとオレらだけで何とかなるから、今日はもういいよ?」
《そうだよ、何か大事な約束、してんでしょ?》
『あ、うん、約束っつぅか…悪りぃ、ちょっと電話だけ。ごめん、すぐ戻るから』
オレはリハの合間を見て、携帯を握りしめるとリハ室を出た。
時計はもうとっくに20時を過ぎて、21時をはるかに越えていた。
こんな時間に電話するなんて、ちょっと非常識なのか…それとも常識の範囲内なのか…
感覚的にそんな事さえも、きっとオレと彼女では違うんだろうな。
かたや真面目でお堅いぐらいの図書館 司書の女性…
かたや芸能界と言う華やかな世界で、今やトップアイドルにまで上り詰めた男。
住む世界が違いすぎる?!
屋上へと続く階段を駆け上がりながら、そんな事まで考えていた。
何となく、彼女が待っていてくれるような気がして、
オレは携帯電話のボタンを押していた。
RRRRRRRR~♪
どこかで聴いた事のあるようなピアノのメロディーが待ちうたに設定されていて、
オレの気持ちを和らげていく。
---はい、もしもし?
数回目のコールで、電話が繋がり、彼女のちょっと透き通るような優しい声が電話越しに聞こえた。
★★★
少しづつ…近付いていく距離……
そろそろ時計の針は20時を指そうとしてる。
彼女に電話する…って、約束した時間。
それなのに、時間を過ぎても一向に終わらないリハにオレは少し苛ついていた…
「ねぇ、翔ちゃん、なにさっきから時計ばっか気にしてんの?」
『えっ?いやっ、別に…、してねぇよ?』
「してるよ~?あ、ほら、また見た!なに?何か約束でもあんの?」
こんな時は、そっとしといて欲しいのに、やたら絡んでくるメンバーたちに苛々する。
『何でもねぇって!ほら、次、早くやんぞ!』
そうしてただ過ぎていく時間に、オレは諦めにも似たものを感じていた。
オレたちの仕事は、こうやって約束さえちゃんと守る事も出来なくて、
今まで、一体どれだけの大切な人を傷付けたり失ってきただろう。
やっぱりオレには、普通の女の子との恋愛なんて、無理なのか?
「翔さん、あとオレらだけで何とかなるから、今日はもういいよ?」
《そうだよ、何か大事な約束、してんでしょ?》
『あ、うん、約束っつぅか…悪りぃ、ちょっと電話だけ。ごめん、すぐ戻るから』
オレはリハの合間を見て、携帯を握りしめるとリハ室を出た。
時計はもうとっくに20時を過ぎて、21時をはるかに越えていた。
こんな時間に電話するなんて、ちょっと非常識なのか…それとも常識の範囲内なのか…
感覚的にそんな事さえも、きっとオレと彼女では違うんだろうな。
かたや真面目でお堅いぐらいの図書館 司書の女性…
かたや芸能界と言う華やかな世界で、今やトップアイドルにまで上り詰めた男。
住む世界が違いすぎる?!
屋上へと続く階段を駆け上がりながら、そんな事まで考えていた。
何となく、彼女が待っていてくれるような気がして、
オレは携帯電話のボタンを押していた。
RRRRRRRR~♪
どこかで聴いた事のあるようなピアノのメロディーが待ちうたに設定されていて、
オレの気持ちを和らげていく。
---はい、もしもし?
数回目のコールで、電話が繋がり、彼女のちょっと透き通るような優しい声が電話越しに聞こえた。
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少しづつ…近付いていく距離……