★★★
ブブブブブ…………

『ぅわぁっ!!…っ……びっくりしたぁっ!!』

翌朝、握りしめた手の中で携帯電話が震える振動で、目を醒ました。


気が付いたら、帰ってきたそのまんま、ベットの上に大の字で、着替えもしないで眠り込んでたオレ……

サイッテーー……


『ふぁい……もしも~し?』

---櫻井さん?もう後5分で到着しますんで。よろしくお願いします。---


電話はマネージャーからで、


『えっ………?!うわっ!ちょっ!!あっ、やっべぇ!もうそんな時間?!ごめん、今起きた!5分…いや、10分だけ、待ってて?』

オレは携帯を耳に当てたまま、バスルームへとダッシュした。


慌てて頭から熱いシャワーを浴びて、まだ半分寝ぼけてる身体を目覚めさせる。

『ぅわぁ~、やっちまった~!』

久しぶりに、あんなに呑んだせいで、ちょっとだけ二日酔い。

『頭痛ってぇ~~』


急いでシャワーを浴びて、クローゼットからテキトーな服をチョイスして着替えて、

まだ少し濡れたままの髪に、無理矢理キャップを被って玄関へ向かう。



ブブブブブブ………

『はいはい!今もう準備出来たから、すぐ行く!』

再びポケットの中で振動した携帯を取り出して耳に当てた。


---………あの………、ごめんなさい、お忙しい時間に………---


耳に当てた携帯から、遠慮がちに小さく響く優しい声……


『あっ!いやっ!!………えっ?!ごめんっ!……えっ?…もしかして、***さん?』


着信相手も確認しねぇで、マネージャーだと思って、いい加減に出たら…

彼女からかかってくるなんて……!!


---はい、あの……ごめんなさい、私…あの、こんなお忙しい時間に!
あっ、また……改めますから。ホントに、あの……ごめんなさい!---

そういって消えそうになってる声を思わず引き止めていた。

『あ、ちょっと!待って?!
いや、こっちこそ、ごめん。昨日、電話もらってたのに。
あ…えっと、今、その…出かける所で…。申し訳ない!またこっちからかけ直すね?夜、大丈夫かな?』

---あ…はい、8時以降なら、大丈夫ですけど…。---

そんなやり取りをして、電話を切った。


オレはちょっと浮かれた気持ちのまま、急いでエレベーターに乗り込み、

マンション前で待つマネージャーの車に乗り込んだ。

★★★
電話の約束しちゃったドキドキ
さて、どうしよっか?