★★★
マツジュンに背中押されて、図書館に来たものの…
10時開館なのに、10時ジャストに来るって!!

どんだけガッついてんだ?

…どうしよっか??
せめて30分くらい、どっかで時間つぶす?

いや、そんな事してる時間はねぇよな…さすがに仕事抜けてきてっから。

あ~…やっぱり仕事、終わってからにすりゃ良かったな。

やっぱ出直すか?


そんな問答を繰り返しながら、図書館の前でウロウロ…もしかして完全にオレ、不審者…だよな?


「…櫻井…さん?」

『ぅわぁっ!!はっ、はいっ!?』

突然、背中に声かけられて、焦って振り返ったら…

『あ……、おっ、おはよう!』

彼女が笑ってた。

「早いんですね?今日は。…あ、どうぞ。もう構いませんよ?」

ちょうど看板を出すために、外へ出てきた彼女にばったり会うなんて…

格好悪りぃ……

『あっ、やるよやるよ!はい、これ持ってて?』

そういって彼女に鞄を預けて、オレは看板を外に出す。

「いやっ、あの…そんな…困りますって!私がやりますから…」

『はい、これでいい?…ダメだよ、女の子がこんな重いもん持ったりしちゃ。』

「あ…ありがとうございます///」

ちょっと頬を赤く染めて、はにかんだように笑う彼女に、ドキッとした…

そのまま彼女と肩を並べて図書館へ入って、借りていた本をカウンターへと出した。


……こないだの返事…聞かせてくれない??


喉元まで出てる言葉を、声にする事もためらわれる程、シン…と静まった館内。

ピッ…ピッ…ピッ…

本のバーコードを機械が拾う音だけが響く。


朝早いってのに、図書館にはそこそこ人が居て、

今日に限って、何故かこないだのミーハーなもう一人の司書も居て、オレの姿を見つけて今にも騒ぎ出しそうに慌ててる。

「あの…全部、返却で良いですか?」

『はっ、はい。全部、返却で、お願いします。』

「では、これで結構です。」

あの………
もしかして、こないだの返事…忘れてないよね?


『こないだ薦めてもらった本、めちゃめちゃ面白かったよ!また何か借りたいんだけどさぁ…オススメ、ある?』

オレはこのまま会話が途切れてしまうのを、恐れて本の話をした。

★★★

純粋なお話だわ〜(笑)

翔さん、難航してますが…果して、良いお返事頂けるんでショウかね??