★★★

あ~ぁ、どうすっかなぁ~・・・・??


オレはさっきから机の上に置いた本をパラパラと開いたり閉じたり・・・何度も意味なく同じ事を繰り返していた。


まさか、デートの誘いを断られるなんて、思いもしなくて・・・・いや、正確にはまだ断られた訳じゃねぇけど。

考えさせて・・・・って、そういう事なんでしょ?!


で、今日が借りた本の返却日なんだけど・・・返却当日の午前中に返しに行く、ってのも、なんかガツガツしてる気がして何かヤだ。


はぁ~~。

・・・・・・・・何なんだ?!コレ。



「あれ??翔くん、それ今日までなんでしょ?今、ちょうど空きだし、返してきたら?今日はたぶん忙しくなるし、この後じゃ遅くなって閉まっちゃうんじゃない?図書館。・・・・ほら、あの真面目な司書さんにも会いたいんじゃない??」


オレの気持ちを知ってか知らずか、逆なでするようにマツジュンが声をかけてきた。


『えっ?!・・・・・・ん、あぁ。そうなんだけどさ・…?』


「ふぅ~~ん・・・・翔くんって、こんな乙女チックな本読むんだね??」


オレの背中から手を伸ばして、ヒョイっと本を取り上げると、ペラペラとページをめくりだした。


『あっ!おいっ。ちょっ・・・それ!』


それは彼女一押しの、今月のオススメ本で、彼女に薦められて借りた本だった。

まぁ・・・・タイトルからしても、男が読むような本ではない事は確か・・・・


でも、一押しだけあって結構おもしろかったんだよなぁ・・・


「なに??なんか行けない理由でもあんの??」


う”っ・・・・・・、痛いところ、いきなり突いてくんなぁ~?!


『いやっ・・・まぁ、そういう訳でもない・・・・・って事もない・・・かもしれない・・・・?かな?』


「はぁ?なんだよ?翔くんらしくないじゃん?・・・・・・それに彼女の事、気になんなら、もうアプローチとかしたんじゃないの??」


今、楽屋に二人きりって事もあってか、今日のマツジュンはビシバシ突っ込むな~!!

オレ・・・・心折れそうなんスけど。


「・・・・えっ!?・・・ってか、もしかして、まだなの?!」


あ~~、もう誰か帰ってきてくれ~!!この人なんとかして~?!


『・・・・いや、まぁ、したには、したんだけどね??』


「・・・・けど、なによ??」


『待ってくれって。・・・・次の返却日まで。』


オレは何故かマツジュンの誘導尋問にまんまとひっかかって、今日の事まで話しちゃった!


「えっ、じゃぁ、尚のこと早く行った方がいいんじゃないの?!ほら~、早く行ってきたら?」


そういって、オレに本を押しつけると、背中を押すようにしてオレを行かせようとする。

なに??この人こんなキャラだっけか??


『う・・・・うん、じゃあ・・・・・・・行ってきます。』


仕方ないから、オレは渋々席を立った。


「いってらっしゃ~い♪・・・あっ!何ならオレ、翔くんのパートもやっとくから、ゆっくりしてきていいよ?みんなには適当に言っとくから、ね?」


『いいか?絶対、オレが言った事、誰にも言うなよ??』


「はいはい、解ってますって!じゃ~ねぇ♪」


なんだか、いつになく嬉しそうに笑って、ピラピラと手を振ってるし・・・・

ホント、大丈夫かなぁ・・・・??


オレは、そんな事を想いながら笑顔のマツジュンに見送られて図書館へと向かった。



★★★

潤くんに遊ばれてますww

ちゃんと内緒に出来るかな??


さて、いよいよ彼女にお返事もらいに行くそうです。

どんな返事をしてくれるかなぁ?(^m^)