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疲れて帰り着いた家。

実家を出て、一人暮らしを始めたけど…

時々、あったかい家族の居る場所が恋しくなる時がある。

帰っても、部屋は真っ暗で…疲れてるけど、ご飯を作らなきゃならなくて…

夏は暑いし、冬は寒い部屋……

暗い帰り道を、とぼとぼと歩いていると、家々から漂う夕食の匂いと、漏れる明かりに胸が切なくなる。

もう少しで家……

でも、このまま すんなり帰りたくなくて、

ポケットから携帯を取り出すと、無意識にボタンを押していた。


ーー もしもし? どした…?? ーー

コールのあと、すぐに電話に出た いつもの彼の声に、何だかしんみりした。

ーー うん、今帰り道。

何してたの? ーー

ーー 今? 飯作ってたとこ。 ーー

ーー ふぅ~ん…… 今日、なに? ーー

ーー 今日はね~? 俺、特製 夏野菜カレー! どう? うまそうだろ?? ーー

得意そうに話す彼に、電話口から今にもカレーの匂いがしてきそう……

ーー いいなぁ♪ 私もカレー食べたいな。 ーー

ーー ん? ふふふ…… じゃあ、今から食べにくりゃいいじゃん。 ーー

…って、あなたは そんな簡単に言うけど。

ーー 行きたいけど……でも。 ーー

…行けるわけないよ。

だって、君ンちは ここから遠いもん。

ーー ふふふ… カレー作って待ってるから、早く来いよ? ーー

…な~んて言ってクスクス笑ってる彼。


ーー もう……意地悪。

いいもん、私もうち帰ってレトルトカレー食べるから。 ーー

ーー 詫びしいな~? 

ちゃんと栄養取らなきゃダメだぞ? ーー

もう…ホントに。
今すぐでも、彼のうちに行っちゃいたいよ。

ーー うん、わかった。

ありがとう。

じゃあ、またね? ーー

せつない気持ちを、押さえ込んで そのまま電話を切った。


いつもの部屋までの階段が、ちょっとだけ軽くなったような…でも、遠いような……


部屋の前に着いて、どこからか ほんのりカレーの匂いが漂っている事に気づく。


いいなぁ~……
やっぱり、夏はカレーだよね?

あ〜、逢いたいな〜…
なんか、疲れた。。

重い身体を引き摺るようにして、帰り着いた家。


鞄から鍵を取り出して、部屋のドアを開ける。


あれ……明かり……?

今朝、電気消し忘れた…???


でも、

すぐに……そうじゃないって、

ふんわりと漂う良い匂いと、玄関に揃えられた私のじゃない大きな靴が教えてくれた。
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「………もう……何なのよ。」

じわっと溢れ出て来る涙……

パタパタとリビングから近づいて来る足音……


『おかえり、早かったね?』
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「もう……バカ。。。」

玄関まで私を迎えに出て来てくれた彼に、思わず抱きついていた私。


『バカはないでしょ、バカは……』

ポンポンッて叩かれる背中に、彼のぬくもりを感じる。

これは、夢じゃないんだね……?

「おつかれさま…

カレー、出来てるよ?」


ギュッと抱き締められて、泣きそうになる。


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ふふふ……


カレー食べたい(笑)←そっちか?!
帰ったら、ご飯作って待っててくれたらいいなぁ[みんな:01]

潤くんリクエスト多かったので、短編上げてみました💜