Still…  〜再会〜

★ ★ ★


「いつか…」


それが彼があたしに言った最後の言葉だった。


忘れそうなその言葉を、あたしはふと思い出していた。


『本当にいつかなんて来るの?』


泣きながらそう言ったあたしに、彼はさみしそうに笑って背を向け歩き出した。


YESとも、NOとも言わずに。


たぶん、あの時あたしたちは、互いに違う道を歩き出したんだ。


もう…彼に逢わなくなって、一体どれくらいの時間が経ったんだろう…


そんな事さえ、もう思い出せない。



この数年、本当に色んな事があった。


世の中は変わり

季節は過ぎ去り

散々泣いて

形を変えていった。


何もかも輝いていたあの日から、輝きだけを奪って…


“待ってるだけじゃ、明日はねぇから”

それが彼の口癖。


先の見えない暗い道も

それが例え迂回路でも

あたしにとって、あたしたちにとって

必要な時間だったと、


…そう信じたい。




騒がしい街並

すれ違っていく名も知らない人


どこかに彼が居るような気がして

どこかに彼の匂いを探して

あたしは道の真ん中で立ち止まり、何度も振り返る。


でも、そこに彼は居なくて

あたしは幾度となく、ため息をついた。



続いていくいつもの暮らし

時々、抱えた物の多さに押し潰されそうになる。

戻れるはずのないあの日々が、愛おしくて、恋しくて

あたしは空を見上げて泣いた。

飛行機雲が一筋流れる空

この空の下のどこかで、彼が笑っていますように…


彼と過ごした日々

繋いで来たその手は、嘘じゃないから。


「これは別れじゃない、僕たちの新たな始まり…


だから、いつか…

いつか笑って、また再会しよう。」


遠い記憶の中の彼が、あたしに優しく微笑みかける。



「…○○○?」


道の上で、ふと風が止まった。

懐かしい声が聴こえて、あたしは我に返った。


『どうして?』


今、あたしの目の前には、いつものやわらかくて

、優しく笑う彼が居て

ゆっくりと、あたし向かって一歩一歩近づいてくる。

目の前の景色が、どんどん涙で滲んで見えなくなる。


「なぁに、泣いてんの?」


『だって…』


大きな手のひらが、あたしの頭に乗せられてクシャッと髪に絡んだ。


「バカだなぁ〜」


ふわりと彼の匂いに包まれる。


「待たせてごめんな?」


優しい声が、胸に響く。


『もぅ…遅いよ、ばか』


もう二度とはぐれないように…


今ゆっくりと止まったままの車輪が動き出した。


あたしたちの時間が、また動き出す。


★ ★ ★


皆さ〜ん!と〜ってもお久しぶりです♡

すみれです(*^^)


お元気でしたか?

私は元気です。生きてます(笑)


皆さんに逢いたくて、またここへ戻って来ました。


そして久しぶりに書きたくなって、書いてみました♡

どうでしょうか?


さて、誰の顔が浮かびましたか?