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とうとう今日はドイツ旅行の最後の日となった。曇り空だった。
チェックアウトした後荷物を預け午前9時半頃ホテルを出た。昨日確認したコースをとって丘を登りロッテハウスに向かった。
目指すはロッテハウスだ。三年前ここを訪れたが定休日でない火曜日にもかかわらず休館だったため見学出来なかった。
このため事前にメールで火曜日は開いてるかどうか確認した。OKとの返事が来たのでそれに合わせて今回のドイツ旅行全体の中でヴェッツラー訪問を調整した。
午前10時オープンだが10分前に着いた。しばらく待っていると担当職員らしき人がやってきた。この敷地にはロッテハウスと地元産品展示場2つの施設があった。
<ロッテハウスの右側に隣接する施設>
入口には孫と祖父2人と私合計3人のみが開場を待っていた。
これらの施設はヴェッツラー市役所所属の博物館であり職員は市の公務員だった。
さて、ロッテハウスに入る。
<壁の向こうにヴェルテルとロッテの世界があった>
ここはドイツが誇る最高の文学者ゲーテの処女作で1774年ゲーテ25歳の時発表され、たちまち全ヨーロッパに広がり、中国でも翻訳された「若きヴェルテルの悩み」の舞台となった施設だ。
そこに主人公ヴェルテルが情熱を傾けるシャルロッテ・ブフと彼女の家族が住んでいた。
彼はしばしば彼女に会うためにこの家を訪ねていた。しかし彼女にはすでに婚約者がいたために彼は苦悩しながら自ら身を引き、最後は身の破滅となる。
最初私一人で見学していたが何かを質問したことから博物館の担当者は熱心に案内してくれた。
この博物館は極力当時のままを再現しているという。よくぞ240年強以前の世界を再現したものだ。1774年日本では第10代将軍家治の時代。
応接室には彼女の両親初め家系の肖像画が壁にかかっていた。それにしても広い窓を数多く取り入れた明るく庭の緑がよく見えるリビングは素晴らしい。
その部屋にはブフがよく演奏していた当時のままのピアノもあった。手前のコーナーでは世界各国に翻訳された「若きヴェルテルの悩み」が展示してあった。
すごい数だった。日本のは岩波文庫発行の竹山道雄訳のものがあった。誰かが寄付したようだ。
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