http://toyokeizai.net/articles/-/152155

 

TDLが今年4月からの値上げを見送るとの記事。

 

国内の産業を見れば、なかなか継続的に値上げを続けていくことが難しい業界が多いなかで、USJやハウステンボスなども値上げをしてきたということで、テーマパーク業界全体が上り調子だったのだろう。最終消費者向けの業態なので、ある程度、アベノミクス経済の追い風を受けてきたことも事実と思う。

 

また、USJは一旦脇に置いた上で、TDLも2014年4月以降3回も値上げしていたとは驚き。しかも、15,16年は各500円とのことで、かなり思い切ったものだったとの印象。若年世代には大きなインパクトだったろうと想像する。

 

ところでTDLサイドから見た場合に、値上げに踏み切るにはいくつかの条件が必要だったと思う。①消費者需要を前提に、②競合への代替可能性が小さいこと、③値上げを消費者に受け入れてもらえるだけの納得できる理由があること、④改定後価格の妥当性があること、といったもの。

 

例えば、①は冒頭のとおり景気の追い風があり、③はサービス向上や混雑の回避、新アミューズメントの建設とかの説明があった。④は現状の7,400円が高いか安いかは人それぞれで、個々人のシチュエーションによっても違うときがあるだろう。高いと思って行かない人・行かない場合も価格によってはいると思う。

 

一方、②についてはどうだろうか。これがクリアできるかどうかは、まさに「差別化」がどれだけ図られているか。現状TDLは日本中から飛行機や新幹線を使って集客をしているほどで、TDLが旅行の目的となるくらい。長崎に住んでいる人が、ハウステンボスに行くかTDLに行くかは、強いファン層からすれば、感覚的には全くトレードオフにならないのではないか。つまり、高い差別化があるように思う。(もしかすると、この点については、テーマパーク業界自体、差別化のしやすい業態なんだろうとも思う。ホテル業などはそうではない。)

 

結局、TDLの値上げ(逆に値下げの場合も)の適否は、おおむね①と④の要素に収斂される。今回利用者の伸び悩みによって値上げを見送ったとされているけど、となると今後の景気悪化に伴い値下げに転じる可能性もある。TDLとしては、この7,400円をキープしつつ、利用者数をさらに減少させないないように踏ん張れるかどうかが肝なんでしょう。

 

TDL自体が旅行の目的となるものなので、利用者の減は、首都圏ホテル、交通、旅行業へのインパクトも少なからず出るので、周辺産業にとっても指標となる。