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さかのぼること約30年前、高校を卒業した私は地元の相互銀行(今はこういう呼び方の銀行はありませんが)に就職しました。
その頃は女子はほとんどが高卒の子でしたからね。
ちょうど、銀行の事務が機械化(オンライン化)されたばかりの頃で、窓口に来るお客さんの中には、オフライン時代の通帳を持ってくる方も多かったんです。
そこで、私達1年目の新人さんのお仕事は、地下の金庫室の中でオフラインの手書きの元帳を探すことがメインでした。
埃臭いようなかび臭いような、外の明るさも時間の経過もわからない金庫室で悪戦苦闘してましたね。
一応顧客ナンバー順に並んでいるはずなので、たいていは30分ほどで見つけられるのですが、ある時、どういうわけか1人のお客さんの元帳がアチコチに散らばってしまっていることがあって、全部見つけるまでに3日かかったことがありました。
あの時はマジで泣きそうになりましたっけ。
私の1年目の思い出は、暗い金庫室のかび臭さと共にあります。