向田邦子の思い出

 

思い出トランプ

 


 

NHKのアナザーストーリーで、

没後40年になる向田邦子さんを取り上げていた。

向田氏の妹である向田和子さんや、

向田氏、最後のテレビドラマ脚本の主役を務めた桃井かおりさんなど

向田氏を知る方々のインタビューを興味深く観た。

 

私の思い出は、幼いころ父と一緒に見たNHKドラマの

「阿修羅のごとく」である。1972年版、向田邦子脚本

和田勉チーフディレクターである。私は小学生であった。

 

なぜ、この大人のドラマを父親と見たかというと

当時、沖縄の離島である宮古島にはNHKのみが

放映されていて、唯一の娯楽のTVを父親と見ていた。

 

トルコの軍楽隊が演奏する印象的な音楽

「ダーンダダダーン」という音と「阿修羅」という題名は

はっきりと記憶に残っている。

 

後に「ジェッデイン・デデン」という

トルコの行進曲であるということを知った

 

その当時は、男女の機微も知らず親が熱心に見ている

ドラマを眺めているだけだった。

 

大人になってから、向田作品の

「父の詫び状」を読んだときは

脳内映像は、一緒にTVを見ているとき

何を考えているのか、よく解らない顔の

父親が演じていて面白く読んだ。

 

向田作品は何冊か読んだが、現在手元にあるのは

「思い出トランプ」の単行本だけ。

 

「思い出トランプ」の短編の

なかでも「かわうそ」は凄い。

 

アナザーストーリーで向田自身が

「かわうそ」の作品に対する思いの肉声を聞いた。

「最初は読み返したくもなかったけど

時がたって読み返してみると一番良い作品

自分の気持ちがよく書かれている」と、、。

 

向田邦子の死後に妹の和子氏が

「向田邦子の恋文」を出版した。

「かわうそ」で書かれている厚子は

邦子自身なのか、、、?

それとも、、お相手の奥様、、?

いずれにせよ、リアルで鳥肌が立つ、、。

 

美味しいのが好きで、おしゃれが好きで

旅行が好きで、、素晴らしい感性がある向田邦子は

憧れの女性である。

 

没後40年、、。

今もなお輝く作家の一人。

 

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