たくみside
たくみ「はぁ……」
しおん「どうしたんすか?そんなため息ついて」
たくみ「いや…ちょっと切羽詰まってるな…って思って」
しおん「たくみくんずっと練習ばっかりじゃないですか…ちょっと外の空気でも吸ってきたらどうですか?」
アイドルになって息苦しくなることも少なくなくて、ずっと最近はこんな感じだ
たくみ「うん……散歩でもしてくるよ」
そう言って練習室を出た
たくみ「綺麗な夕日だな……」
本当に綺麗な夕日だった…うっとりするような虹色の夕日
俺は頭を空っぽにしてそこに立っていた
幸い人通りも少なく、周りの目を気にする事はなかった
少し目を開けて周りを見渡すと俺の少し離れた横辺りに一人の高校生を見つけた
その横顔はすごく悲しそうで苦しそうだった…
まるで俺と同じく行き詰まっているかのようだった…
だけど夕日に照らされたその横顔ははとても綺麗だった…
すると女の子の横に1匹の野良猫が寄ってきた、子猫は彼女の横に寄り添い懐いていた…
彼女は猫を抱き上げ何やら話しかけていた、何を言ってるかは分からなかったけど人を惹きつける可愛い笑顔で話しかけていた…
この時俺は一瞬で彼女に恋に落ちた
詩葉side
私はいつものように学校からの帰り道、あの夕日を見たくなって、夕日が見える場所まで向かった
うた「はぁ……綺麗……」
いつものように頭を空っぽにしてただただ夕日を見ていた…
自分の将来がきちんと行くのかな…結婚できるのかな……夢が叶うのかな…また人を信じれるようになるのかな…親の期待に応えれるのかな…
そんなことを毎日ぐるぐる頭の中で考えて自分で苦しくなってる
だけどここに来ると忘れられる
私にとって大切な場所だった…
座っていると猫が寄って来てくれた
まるで私の気持ちをぬぐってくれてるようにピタッと寄り添い懐いてくれた
私は猫を抱き上げ話しかけた
うた「ねぇ…君だけでも私の味方でいてくれる?」
苦しいけど無理に笑顔で話しかけた
すると猫は
にゃ〜!
私は嬉しい気持ちでいっぱいになって今度は精一杯の笑顔で
うた「ありがとう〜笑」
そう言った