アタシタチは沢山の分岐点で沢山の事を選んできた。
その全てがアタシにとって大切な時間だったから
アタシは何度生まれ変わっても
同じ道を歩くだろう

今までの話

\\\\\\\\\\\\

素直なままで。。13章 ざわめきを。

次に目を覚ましたときには
晴彦くんもたかおくんも帰っていた。
静香はベットに眠り込み
アタシはコタツのまんまグーグーねていたようだ。

「おはよ」
アタシがコタツからもぞもぞでると
静香もおきたようで、もぞもぞとおきてきた。
「あ~おはよ」
時計はすでに昼をさしていた。
なんてだらけた1日だろう?

アタシの1日のはじまりは
外の集合ポストまでいきのぞきこむところからはじまった。
ポストの中はいつもと変わらず
なーんにも入っていない。
たった一通の手紙が待ち遠しかった。
こないだろうと思いながらも、
ポストを覗かずにいられなかったんだ。

「あはっ、きてなかった~」
アタシは朝ごはんにアイスクリームをだしてきて
たべはじめた。
静香は朝から焼き魚をして
アタシの分も焼いているようだった。
全く、静香はいいお嫁さんになるってもんだ。
それにひきかえ、アタシときたら
何もできない。
せいぜい出来て、そうじくらいのものだ。

「そーだ、たかおくんがね、今日休みなら、
付き合って欲しいところあるんだって」
「?そうなんだ。たかおくんがアタシにって?」
「うん、そーだよ」

アタシでいいのか?と思いつつ
特別、何も予定がないし、一応いつきてもいいように
準備をした。
だけど・・ちょっと嬉しかった。
例えば静香をすきだとしても、
たかおくんは優しいし、おにいちゃんみたいだし
今一緒にいて心地よかったのが
正直なところだった。
将ちゃんがいない寂しさを
たかおくんで勝手に埋めていたのかもしれない。
アタシのずるさなのかもしれない。

最近、あたしはたかおくんが来ることが
いつもは気がつかなかったけれど、
実は楽しみになっていたようだ。
でも、アタシは将ちゃんの彼女なんだし
そんな事はありえないし
なんだか、そんな風に将ちゃん以外に
そんな気持ちをを持つことなんて許せない。
アタシにあるこの気持ちは、
寂しさを埋めたいだけなんだ。
そんなずるさを持つことが
恥ずかしい気さえしていた。
この寂しさは弱さだって思っていた。

でもね、本当にアタシは今考えても
たかおくんがあの気になっていたように思える。
それが恋とか愛とかなのかは
ワカラナイのだけど・・。
確かに、寂しさで隙間があったことを
否定はできないけれど、
好きのはじまりとして、寂しさがあったとして
誰が責められるのだろう?
だけど、その時のアタシは
そんな自分の気持ちは見ないように
しようと躍起だった。

たかおくんはいつも晴彦くんの助手席で
現れていたけれど、
今日はお父さんの車を運転してやってきた。
「ほ~ら、楽しんでおいで」
静香がアタシの背中をにっこりしながら押した。

「彩ちゃん、今日はごめんね」
たかおくんは助手席の鍵をあけて言う。
「ううん、平気~どこいくの?」
たかおくんから新聞を渡され、
見ると、映画の時間の一覧だった。

「フィールドオブドリームスって映画が見たいんだ」
映画なんて、もうずーっと見ていなかった。
だから、どんな内容かもわからないまま
アタシは映画館につれていってもらった。
「きらいじゃないかな?」
たかおくんはアタシの様子を伺ってくれる。
「どんなのかわかんないけど、映画好きだよ~」
そういうとたかおくんは嬉しそうにしてくれた。

声に導かれてとうもろこし畑を野球場にしてしまう映画で
作ると亡くなった会いたかった人が
その野球場にきて会えるってお話だった。
泣ける映画だった。
涙もろいアタシはオイオイないた。
たかおくんはそんなアタシを笑ったけれど
たかおくんも泣きそうだったみたいだ。
期待以上の感動する映画だった。

アタシはこの先、何度もこの映画を思い出すと思う。
思い出の映画はと聞かれたら
迷わず、フィールドオブドリームスと答えるだろう。