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MOMO

MINIMAL × ORGANIC





クラベスホルム



MOMOですニコニコ


今日からちょっとずつ、去年のデンマーク留学のことを書きたいと思います。


MOMOは去年の1月から、デンマークのホイスコーレとよばれる学校でグラフィックデザインを勉強するために半年間留学生活してました。 でも、それまではデザインと全然関係のない法律を仕事にしていました。


大学1年生のときに弁護士になろうと決意して、それからがむしゃらに勉強する毎日を続けた後、たくさんの幸運に恵まれて無事に司法試験に合格しました。そして、1年の司法修習を経たあと、これまたラッキーなことに、一番行きたかった法律事務所で弁護士として働けることになったんです。


それなのに、、、、


なんで弁護士やめちゃったの??叫び



ってところも我ながら突っ込みどころ満載だし、



だいたいデンマークってどこにあるの??? 
チーズは美味しそうだけど、何でイギリスとかアメリカじゃなくて、なんでデンマークなの??目というところも、言葉にできたらいいなと思いますかお



書きたいことがありすぎて、長い手紙のようになってしまうかもしれません。
何回かに分けて、今まで考えてきたこと、そしてこれからやりたいことを書きたいと思います。




今日はまず、なぜデンマークなのか?ってところからですにひひ


幸福大国デンマーク

幸福デンマーク



デンマークは、ヨーロッパの北、つまり北欧にあって、ちょうどドイツの上あたりに位置しています。面積は、日本の10分の1くらい、人口も、日本の20分の1にも満たなくて、とっても小さい、可愛らしい国ですニコニコ ↓ ◯で囲ってるとこがデンマーク。



デンマーク地図




はじめてデンマークに行ったのは、今から3年くらい前のこと。
たまたま本屋さんで見つけたお気に入りの北欧雑貨の本を眺めているうちに、可愛い雑貨やインテリア用品をどうしても直接見てみたくなって、1週間の休みをとって一人旅行をすることにしたんです。




行ってみると、すごくのんびりとした、とても穏やかな空気が流れていました。
東京に比べるとあんまり人が急いでいる雰囲気がない。
ちょうど冬だったこともあり、日没が夕方4時くらいなので、お店もそのくらいの時間に閉まっちゃうし、働いている人も家に帰る時間のようでした。


ほっこり




この国際競争社会の中で、すごいマイペースな国だな。。。
こんなに働かないで大丈夫なのかしら?得意げ
と思いましたが、街の中で人がセカセカしていなくて、気持ちに余裕があって、、、
何だか、、、


いるだけでとても居心地が良かったのですかお


ゆっくりとした時間の流れ。
木の温もりをいかしたシンプルなデザインの家具たち。
オーガニックな曲線が取り入れられた心地よい空間づくり。
そこに、コーヒーと焼き菓子の香りが漂う。


「ほっこり」という言葉がとても似合う国だというのがMOMOの第一印象でした。



ほっこり2




帰ってから調べてみると、2013年の国連による国民幸福度調査では、デンマークは世界1位ということを知りました。日本は43位です叫び デンマークで、その幸せな空気感を肌で感じてきた者としては、とても納得という感じでしたかお



しかし、同時にびっくりしたのは、国民一人あたりのGDPは世界6位で、27位の日本より大幅に上なのです目
しかも、IT部門など、これからビジネスで重要なジャンルでは、ことごとく上位にランクインしているのです目



日本では、自分も含め、みんな満員電車に揺られて、歯を食いしばって朝から夜遅くまで働いているのに、ほっこり王国の方が生産性が高いなんて、どういうこと????? 



という素朴な疑問がMOMOの中にわいてきました。




.....デンマークのこと、もっと知りたい。 何かここにヒントがある気がするひらめき電球



こうして、MOMOの幸福のヒントを探す旅がはじまったのでした。


留学記vol.2へかおつづく


「自分の根性、運命、人生、カルマ…...何でもいい、とにかく信じること」
スティーブジョブスは、スタンフォード大学の卒業式での有名なスピーチの中でそう言った。






私は、神さまも仏さまも運命も、どちらかと言えば信じているほうだけど、毎日こつこつ目標に向かって歩いていけば、いつかは山頂にたどり着くというコトを日々信じて生きている気がする。


天才にあこがれる典型的な努力型人間であり、
コツコツ教の敬虔な信者である。


人は、その先にたどり着きたいゴールがあるときに努力するけれど、
MOMOの場合、努力の先にある興味に対象は、学生のときから大分変わったと思う。

学生の頃は、試験というもので生活が埋め尽くされていたから、努力を競走社会でとにかく生き残るために使っていた。

競走は、一定の評価軸の中で、人の成長を促すことができるという点でとても優れた仕組みだ。
勝者を頂点とするヒエラルキーな世界のなかで、向かうゴールは明確。だから、お互い切磋琢磨して競走に勝つために努力する。

でも、人の生きる目的が幸せになることであるとしたら、競走とうものにはいろいろ問題がある。

競走の中での勝ち負けは、人間がつくった一定のルール内での出来事にすぎないのに、競走をずっと続けていると、その世界では勝った人が偉くて、負けた人は努力が足りないダメな人みたいな雰囲気になってくる。

MOMOは、どうもこれが苦手なのだ(´Д`;)






お正月にやるスゴロクくらいの感覚でやっているゲームならいいけれど、これがそう簡単にやめることのできない現実世界の競走となると、大変である。

そこでの勝ち負けは、人生やすべての物事のほんの一部を表現したものにすぎないのに、ずっと競走していると、だんだんそれが全てみたいなことになってくる。 

一面的でごく限られた世界での基準や評価が、森羅万象が複雑に絡み合ったこの世の縮図であるはずがないのに、一所懸命やればやるほど、よく見えなくる。



ゲームの中で勝てない人が面白くない思いをし続けると、気力を失くすこともあるだろうし、
ゲームの中で勝つといい気分になるけれど、競走に勝つのが面白いからそれをやっているのか、本当に好きだからやっているのか分からなくなりやすい。




そんなことを感じるようになってからは、「競走によって個人を成長させるというのが今まで教わってきた世界だけど、それは一つの考え方にすぎなくて、むしろ、個々人がそれぞれの文脈、カタチで自分を自由に表現しているという世界の方が面白いし、そんな世界であってほしい」と考えるようになった。


自分がこういう風にありたいと思うイメージに向かって、自分の内側からあふれてくるものをエネルギーに自由に進んでいく、活き活きした世界。

もちろん、そんな世界を願っていても、物事は思うようには進まないことの方が多い。
でも、日々工夫を重ね続け、自分という素材を最大に活かす方法を探る。
その過程で、自分のちょっとした成長を感じられるとき、それはシンプルにとても嬉しい。

それが今はコツコツと何かを続ける原動力になっている気がする。

そして、そのコツコツが自分の可能性を広げ、いつかとんでもないところに連れて行ってくれる。 それがコツコツ教の信じるところである。






実は今、デンマーク留学中に描いていたアンデルセンの絵本をきちんと増刷して出版しようと、描き直している。

本当は、デンマークから帰国したらチャキチャキと起業の準備を進めて、来年の春には会社の箱を作るくらいのタイムスパンを考えていたのだけど、どうしても先に納得する絵本を完成させたい。

前に絵本をつくったときにFacebookでシェアしたら、「ぜひ欲しい」というありがたい声をいただき、早くその人たちの手に届けたいというのが一番の理由。

でも、もう一つ理由があって、これから起業して苦労が続いて自信をなくすときが来るだろうし、自分の思い通りにことが運ばないときに誰かに自分の考えを押し付けて、相手の持っている可能性を信じられなくなることがたくさんあると思う。

そんなときに、自分の原点に戻ってくるための絵本を、自分のために描いておきたい。

ろうそくの絵本のお話は、アンデルセンが人の内に眠る無限の可能性をを信じることを描いたお話。 

起業を決意して弁護士をやめたとき六法は捨ててしまったから、今度はこの絵本を自分の憲法にしようと思う。


<スティーブ・ジョブスのスピーチ>








2ヶ月かけてコツコツとつくってきた絵本がようやく出来ました。 






アンデルセンの未公開処女作に絵をつけました

2012年冬、デンマークの歴史学者がアーカイブで調べものをしていたところ、書類の入った箱の底から、「ろうそく」と題された6ページの手書きの文章を発見しました。

この物語は、みにくいあひるの子や人魚姫の作者として知られる童話作家アンデルセンがデビューする前、まだ18歳だった頃に書いたはじめてのお話と考えられています。


アンデルセンの出身地であるデンマークでは、その未公開処女作の発見がお茶の間を賑わす一大ニュースとなったのですが、実はその翌日にたまたま私はアンデルセンの故郷である小さな町を旅行で訪れていたのです。 平日に、アンデルセン博物館を一人でぶらぶらする日本人女性がめずらしかったのでしょうか、取材に来ていた地元のテレビ局に突然お話の感想を聞かれるというのがこのお話との出会いでした。




心温まるとてもかわいらしいお話です。
少し短くまとめたお話を、挿絵と一緒にどうぞご覧ください^^


「ろうそくのお話」


ある日、真っ白なろうそくの赤ちゃんがこの世に生まれてきます。
白く輝き、傷一つなく、それはそれは完璧なろうそくでした。









実は、ろうそくのお母さんは子羊でした。
お父さんは、その脂をシューシューと溶かす大鍋でした。







ろうそくは、生まれて来た世界のことを知りたくて、ワクワクしながら出かけました。





ところが、会う人はみんな、自分のことで頭がいっぱいで忙しく、相手にされません。




ろうそくを初めて見る人は、それが一体何分からず、「何だこの白くてひょろ長い棒は!?」と言って、好きように使いました。



そのうち、ろうそくは、ひとの手垢で真っ黒な身体になってしまいます。





しまいには役立たずだと投げ捨てられ、優しい人も、見かけが真っ黒なろうそくを恐れて離れていってしまいます。








ろうそくは、とうとうひとりぼっちに。 




「神さま、ボクは何のために生まれてきたのでしょうか??」 

誰の役にも立たないどころか、お父さんがお母さんがせっかくくれた白い身体をこんなに汚してしまったことを考えると、悲しくて悲しくて涙がとまりません。






ところが、ある日のこと。 





小さな火花をパチパチさせた火打箱がやってきました。 
実は、火打箱は、目にはみえないものが見えるこころの目を持っていました。
ろうそくに近づくと、その内に秘められたまぶしい輝きを見抜き、そっと火をつけてくれます





火がともされ、冷たく固まっていたろうそくの心は、春の日差しを浴びた雪のように溶けていきました。



ろうそくのしずくは、新しい命のタネのように、次々にしたたり落ちました。

そして、古びた汚れをおおいながら、足元につもりました。







ろうそくは、火打箱から小さな火花をもらいました。

いえいえ、火花だけではありません。もっともっと大切なものも一緒にもらいました。 
ろうそくは、自分らしく生きる場所を見つけたのです。 
ろうそくは、美しい光でみんなを喜ばせるのが、うれしくてたまりませんでした。








心温まるシンプルなストーリー

この作品は、デビュー前に書かれただけあって、あんまり練られたものではないです。
でも、シンプルで、かわいらしい。 何だかすごく惹かれて、日本に帰ってからアンデルセンの伝記を読みました。 そしたら、このろうそくはアンデルセン自身の人生を描いたものなんだということがわかりました。


アンデルセンは、貧しい靴屋の息子として生まれ、子どもの頃に父親を亡くしますが、母親にやさしく愛情深く育てられます。幼い頃からとても信心深くて、人をすぐに信じてしまう純真さを友達にからかわれたりしていたそうです。偉人の伝記を読んで、「はじめは、とても苦しいことを切り抜けてはいけないけれど、何もかもが、まず不幸のどん底にくると、その時、神様はお助けをおくだしになる。」ということを信じたアンデルセンは、有名になりたいと言って、引き止める母を説得して、大都市であったコペンハーゲンまで一人旅立ちます。

俳優になろうと、ボロボロの洋服を来て、何とか飢えをしのぎながら、コペンハーゲンでの日々を過ごす中で、さまざまな人に出会い、絶望と挫折を繰り返しながら、少しずつチャンスをつかんでいきました。 ろうそくのお話に出てくる火打箱のような存在の人が、アンデルセンにもいたのです。 その人との出会いが転機となり、有名になるという彼の願いが少しずつ形をかえながら実現していくのです。


彼の伝記と併せて読んでいると、自分の可能性を信じる心、周りの人や運命を信頼する純真な心と目標に向かってひたむきに打ち込む姿勢が、次々と助けを呼び寄せて、一滴のしずくがやがて大きな波になっていくのが、リアリティをもって迫ってきました。



アンデルセンからのメッセージ

3年前は、自分の心に正直に、そして自分のもっているものを最大限に生かして世の中の役に立つ生き方をしたいと思い、転職を決心した頃でした。 これからのことに悩んでいる時期だったのだけど、目に見えない何かを信じるってやっぱり大事なんだな思いました。 今の状況、置かれた環境はどうであれ、一番大事なことは、自分の心の奥底にある信じる力なんだと素直に思ったのです。


何だか、時空を超えてアンデルセンに「がんばってね」と励まされているような気がして、本当にお気に入りのお話です。 

手作りした絵本を、デンマークにあるアンデルセン博物館に作った本を寄贈したいと連絡したところ、ぜひコレクションに加えたいとのお返事をいただきました。 私のつくった本が、このお話の世界で初めての絵本だと、とても喜んでいただけました。

これでデンマーク悔い無しです*^ ^*