先日(5/29)の「ゆうの会」に栗本啓司さんがご参加くださいました。

 栗本さんは順天堂大学体育学部を卒業後、日本幼児健康体育協会に所属し、子どもに関わる仕事を長年続けられてきました。そして現在は、「からだ指導室  あんじん」を主宰されています。

 ホームページから以下引用します。

 

 発達障がい児(者)のためのコンディショニング指導

無意識のうちに余分な力が入ってしまう発達障がい児(者)は、どこか動きがぎこちなく、偏った動きをしてしまいます。それにともない眠ることや食べること排泄(大小便・汗)といった生命維持に必要な働きに問題が生じます。そしてやる気が起きない、イライラするといった心や情動の面まで影響が出ることもあります。

コンディショニング指導では体の緊張↔︎弛緩がスムーズに動くことを目指し、揺らしたり、伸ばしたり、または力を入れたり、抜いたりしながら体を弛めていきます。

 

著書も多数あります。

『感覚過敏は治りますか?』 以下、あとがきより。

感覚過敏さえ治れば、発達凸凹の人たちは相当生きやすくなります。

そして、感覚過敏が治った人はたくさんいます。

感覚過敏が治って残念がっている人はいません。

感覚過敏を治せる医者はめったにいません。

どうやったら感覚過敏は治るのでしょう?

どうして治る人と治らない人がいるのでしょう?

そして何より、どうやったら治るのでしょう?

そういう疑問に答えた本です。

 

その他、『人間脳の根っこを育てる』『芋づる式に治そう!』など、詳しくはホームページをご覧ください。

 

 栗本さんの視点は、発達障害とされる子ども(大人)たちを、まずは「からだ」から見ていこうというものです。からだが大事、でも……

「ちょっとしたことで薬を飲まされているお子さんがたくさんいることにびっくりしています。でも、発達障害的な症状って、薬は必要ない。小さい頃からの発達の段階で、踏むべき段階を踏んでいない、だから、大きくなったとき、体に余計な力が入ることがあります。余計な力が入ると、さまざま発達障害と言われるような症状が出てきます」

 

 ゆうの会には、成人した子どもを持つ親御さんの参加が多いですが、皆さん、栗本さんの話に熱心に耳を傾けていました。

 話の内容はここでは詳しく述べませんが、例えば、ハイハイの期間がひどく短かったり、標準より早く歩きはじめたり……そんなことが神経の発達においてどんな影響を及ぼし、成長とともにどんな症状となって出やすいのか……なるほどと感じることが多い内容でした。

 

 こうした視点で「発達障害」を見ていくことが広まっていくといいなあと思います。

そうすれば、その症状で困っている子どもも楽になって、向精神薬を服用する必要もなくなります。

 発達障害児(者)に対する投薬は、現在、あまりに安易で、的外れで、さらに大人の論理で行われている部分が多いです。

 飲むのは将来のある子どもたち。この先、何十年と人生を生きていかねばならない子どもたちが、頭に作用する(しかも長期服薬についての安全性がよくわからない)薬を飲まされることに胸の痛くなる思いを抱きつつ、薬の批判のすぐ先で、ではお前は薬なしでどうしたらいいと考えているのかという批判の批判を受けながら、それでもなおという思いの中、栗本さんのようなアプローチが広まることに望みを託したいと思います。

また後日、ご著書の紹介をしたいと思います。