平日の午前8時からテレビ朝日で放送されているバラエティ番組(羽鳥慎一モーニングショー)。

以前もやっていましたが、今日も「うつ病」の特集をやっていました。

番組御用達の精神科医は坂元薫(赤坂クリニック院長)

 

 朝からテレビに向かって突っ込みを入れながら見ていましたが、まあ、まだこんなことを言ってるのかと、やはり怒りがふつふつと湧いてきました。

 

 うつ病は「脳の病気」、それには神経伝達物質が関係している。その神経伝達物質とは「セロトニン」。なぜセロトニンなのかと言えば、セロトニンを増やす薬(抗うつ薬)を飲むとうつ病が治るから。

シナプスの絵を紹介しつつ、こんな説明です。

 

さらに、ボードを使った説明では、以下のような文言も。

 

 

 

そして、坂元氏の言葉。

「(薬には効果があるのに)、それでも半信半疑の患者さんがいます。だまされたと思って飲んでください。不思議です。肺炎です。抗生物質を出します、と言って、嫌だという人は一人もいないんじゃないでしょうか。あなたはうつですよ。抗うつ薬を出しますと言って、嫌だという方が3割以上……」

 なので、まずはだまされたと思って飲んでください……というわけです。

 

 そして、番組の最後の〆の言葉がこうでした。

 

「ためらわず受診して。私たちがそのあと、なんとかします!」

 

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「私たち」というのは精神科医のことです。うつで辛い人は精神科医に相談をしてください、そうすれば私たちがあなたを救って差し上げますと……。

 これはまた何と露骨な受診誘導なのでしょう。ここまであからさまに言うとは、どんな自信が言わせているのか。

 

 芸能人の自殺が二件続き、ここぞとばかりに精神科医がはりきっている感じです。しかし、抗うつ薬の成績は、と言えば、以前ブログで紹介したとおり、プラセボと大した違いのないものばかり。

 でも副作用はしっかりあります。衝動性が亢進し、「治療」を始めて間もなく自殺する人が多いです。ほとんどは「うつ病だったから自殺した」という定型文に収められておしまいです。服薬の関連性が取りざたされることはありません。

(確か俳優の渡辺裕之さんも、「新しい治療」が始まって間もなくの自殺でした。

 

「少しずつじわじわと、心の病は夫を蝕み、大きな不安から抜け出せなくなりました。医師にも相談し、希望の持てる治療を始めた矢先の、突然の出来事でした。」

原日出子 夫・渡辺裕之さん急逝にコメント「治療を始めた矢先…『何故…』はきっと誰にもわからない」 (msn.com)

 

 精神科医は人生の相談になど乗ってくれません。

 あなたの苦しさを軽減してもくれません。

 (たとえば、コロナで経済的に苦しくなった人が抗うつ薬を飲んでも、元気になるはずがないです。)

 「だまされたと思って抗うつ薬を飲んでみて」……これほど安易に服薬を勧めるなんて、どうかしてます。うつ病の怖さより、抗うつ薬の怖さのほうが……。

 

「ためらわず受診してください。私たちがそのあと、なんとかします」

 なんとかならなかったら、どうするのでしょう。こんな断言はそもそも医師がすべきではないですし、なんとかならないどころか、薬害という蟻地獄に落ちてしまったら……。そのリスクについて一言もなく、どんとまかせてなど、よく言います。

 

 あからさまな精神科受診誘導。

 こうした光景には既視感がありますが、相変わらずまだやっていることに驚きました。

 赤坂クリニック……いろいろな話、聞いています。