著者の「ちかりん」さんから送っていただいた本を紹介します。

 

 

 2001年のことです。

 両親が施設に入り、一人暮らしとなった「ちかりん」さんは、なんとなく(それこそなんとなく)、「痩せればいいことあるかもね」といった理由から、ある内科を受診することになりました。

 ダイエット本を出し、食事については「1日1快食」を提唱していた内科医のF医師。

 やせればきっといいことある……。そんな妄想をしていたちかりんさんに、しかし、F医師から診察後告げられた言葉はとても意外なものでした。

「あなたは重度の脳疲労だから、お薬が必要です。うつ状態です」

 は?

 ん?

 なんて言ったの?

 

 最初はそうした反応だったちかりんさんですが、結局、出された薬を飲むことを決意します。

 初診で出された薬はルボックス(SSRI 抗うつ薬)とデパス(半減期が超短期型の抗不安薬)。

 この2種類を朝昼夕と3回飲むようにとの指示でした。

 漫画家のアシスタントなどの仕事をしていたちかりんさん。毎日毎日、まじめに薬を飲みました。自分は「脳疲労」なのだと信じ込み、だから、それを治さなければならないと思い込んで……。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 と、ここまで読んで、精神医療(というか向精神薬)の被害について知っている人なら、この先ちかりんさんがどういう展開になっていくか、おおよその想像がつくと思います。

 そうです。

 ちかりんさんもみなさんご想像の道をたどることになりました。

 薬を飲めば飲むほどに、日常生活が少しずつ変質していきます。

 薬の量と種類が増えていきます。

そして、休職。オーバードーズ。死にたい願望……。

最初の希望だった「ダイエット」などどこへやら。いつの間にか立派な「うつ病患者」の出来上がり。

 

 それでも、そういう道を経た後、ようやくちかりんさんは「向精神薬」の怖さをネット情報で知り、自分で減断薬を行いました。そして、お定まりの離脱症状との闘い……。

 

 ともかく、この本には「向精神薬の副作用、断薬と離脱症状」のことが、赤裸々に語られています。

 

 ちかりんさんが受診した2001年は、まさに「うつ病キャンペーン」真っ盛りの頃でした。当時、ルボックスをはじめとする新規抗うつ薬であるSSRIが、それこそ飴玉のごとく処方されている時代。「うつは心の風邪」という軽やかなキャッチコピーの流れにのって。

 しかし、受診したのは内科です。精神科でも心療内科でもありません。

 さらに、ダイエット目的で受診(F医師が『ダイエットなんちゃら』という本を何冊も出しています。それは患者を呼び込むための罠なのでしょうか)した「患者」に、「脳疲労」という概念を刷り込ませ、それを治せば痩せられるとして、向精神薬を処方する。

脳が疲れていると「肥満」(だけでなくあらゆる病気に)になるというのがこの医師の考え方です。(現在でも同様のことを自分のクリニック(いまでは心療内科医とうたっています)でやっています)。

 まったく理解できません。

 どこにそんなエビデンスがあるのでしょうか。

 こんな処方の仕方は、適応外処方もいいところ。

 

 私はこの本を読んで、この医師は詐欺師と思いました。

 こんないい加減なことで、重い副作用のある向精神薬を、こうも簡単に患者に飲ませるのは、犯罪にも近いです。身体への侵襲、人生そのものへの侵襲、取り返しがつかない状態へと陥れるものです。

 

 この本のタイトルは、まさに、それを言っているのでしょう。

 

 興味のある方は、ぜひお読みください。

 定価 1000円 + 送料 180円

 以下のアドレスからちかりんさんに直接お申込みしてください。

big.garden.projectあっとgmail.com 

 「あっと」を「@」に変えてください。