毎度のことですが、社会の変化によって心に不調をきたす人を救うべく、精神医療が手を挙げています。
震災後しかり。
今回は「コロナ鬱」です。
日本精神科病院協会の会長である山崎學氏が、昨年12月に厚生労働省宛、要望書を提出しました。
いわく。コロナ禍により昨年7月以降、自殺者が急増している。経済的な問題を抱えた人、ドメスティックバイオレンスの増加、アルコールの乱用等々、コロナの先行きが不透明な状況下、ストレスによる不安、焦燥、抑うつ気分など精神症状を呈する人が増えている。
そここで、政府においては厚生労働省を中心とした迅速できめ細かなメンタルヘルス対策を含む自殺対策の実施、並びに早期の医療機関への受診ができるような体制整備を強く要望する。
つまり、コロナ禍で自殺しないように、いち早く精神医療につないでほしいという要望です。
しかし、精神医療ができることはそう多くありません。
というか、ほぼほぼ、出ている症状を抑える薬を出すことくらい。眠れない⇒睡眠薬、将来が不安⇒抗不安薬、憂鬱⇒抗うつ薬、等々。
これまで何度も書いてきましたが、自殺の背後には向精神薬が絡んだケースが多いです。
抗うつ薬の添付文書を見れば、「自殺念慮」という文字がいくつも見受けられます。
そうしたことに一切触れず、なんでも精神医療につなげば自殺が防げると、こういう立場の人が国に要望する。
そういえば、この会長は以前、「精神科医にも拳銃を持たせて」と発言した(文章に書いた)ことがありました。
患者の人権にこれほど「鈍」な人が、コロナ禍で経済的にも精神的にも痛手を受け、自殺を思うまでに追い込まれた人間の何がわかるというのでしょうか。
ただ単に、精神医療の勢力拡大が目的でしょう。