来年、ある大学で学生のメンタルヘルスについて話をすることになり、現在、資料を集めています。
しかし、資料――例えば論文一つをとっても、その論調はほとんどが「早期発見、早期治療」に向けて取り組んでいく、といった傾向のものが多い印象です。
例えば、「大学生のメンタルヘルス」(三宅典恵、岡本百合、2015年『心身医学』)の抄録には次のようにあります。
大学生は思春期の自己同一性の問題が出現する時期であり、メンタルヘルスの問題が生じやすい。それは不登校やひきこもりのリスク要因となるため、早期発見や治療が重要である。そうした中で、大学内の保健管理センターを利用する学生も増加の一途である。本稿では、大学生に多く見られる精神疾患、その早期発見や治療、支援に向けての取り組みについて述べる。
これは広島大学保健管理センターの報告です。
それによると、大学生の死因の第一位は「自殺」だそうです。そして自殺の背景には気分障害などの精神疾患があるとされており、大学生のうつ病は、自殺の背景となりやすいため、発症前からハイリスクの学生の早期発見や予防介入が重要である、といいます。
特に新入生は環境の変化等から悩みを抱えやすく、不安やうつ傾向に陥りやすいため、広島大学では新入生を対象としたメンタルヘルス調査を行っているとのこと。
その結果は、新入生約2500人のうち約2パーセントの学生(55名)が「呼び出し対象」。呼び出し対象というのは、「希死念慮」のある者、「抑うつ」傾向の強い学生のことで、つまり「ハイリスク郡」ということなのでしょう。
そうした学生を早期に見つけ出し、介入する(医療につなげる)ことが、うつ病予防、ひいては自殺予防につながっていく……。
正直、これはもう何度も何度も繰り返されている論調をそのまま踏襲した論文ですが、ただ、ここでは「早期発見、早期介入」の具体的な方策については述べられていません。
そこでさらに調べると、以下のようなものが見つかりました。
中央大学の例ですが、教職員向けに、気になる学生をどのように「学生相談室」につなげばいいのか具体的なアドバイスが書かれていて、たいへん興味深いです。
https://www.chuo-u.ac.jp/campuslife/counseling/care/aboutuse/
「学生相談室へのつなぎ方」
メンタルな問題を抱えていると思われる学生に対して、ストレートに学生相談室の利用を促すことは難しいかもしれませんが、会話の中でもし「不眠」や「食欲不振」、「生活リズムの乱れ」などの話が出てきましたら、その「辛さ」に焦点を当て、「専門家に対処法を聞いてみた方が良いかもしれないよ」と声をかけてみてください。また、「親身になって相談にのってくれる部屋があるよ」、「一度相談しておけば、本当に困ったときにすぐ対応してもらえるよ」、「秘密も守られるよ」と、学生相談室のことを紹介してみてください。付き添ってくれる人がいれば、なお心強いでしょう。それでも相談室へ行くことを躊躇しているときは、無理強いをせず、折を見て学生相談室の存在や連絡先を伝えたりしながら、学生の様子を見守ってください。
一方、問題を問題と感じていない学生は、学生相談室に行くよう勧めても、「相談に行く動機」がないため、自ら行動を起こすことは難しいと思われます。学生対応で困難を感じられた場合は、学生本人の気持ちや状況を優先・尊重しつつも、一人で抱え込まず、気軽に学生相談室にご連絡ください。
また、学生が所属する学部の「心に困難を抱える学生のための支援」担当教職員にご相談頂き、対応を考えていくという方法もあります。
そして、実際の相談体制はというと――
まず、学生相談室スタッフがインテーク(予備面接)を行い、本人の了解を得て専門家等につなぐ。
「専門家」というのは、要は精神科医のことです。
精神科医は、病気の可能性を確認し、必要に応じて薬を処方します。外部医療機関の方がより良いケアを受けられると判断した場合は、紹介状の作成などを行います。
また、心理カウンセラーにもつなぐようです。
弁護士にも相談できます。例えば、アルバイト契約のトラブルなど、法律上の問題についてアドバイスしてもらえます。
また、教職員相談員というのもあり、関係部署から選出された相談員が、学業全般・進路・留学の相談などを受け、アドバイスするそうです。
ここでちょっと驚くのは、インテークのあとにすぐ(本人の了解のもと)精神科医につながれるということです。
大学に限りませんが、こうした傾向はいまや発達障害支援センター、あらゆる相談所、保健所等々で見られます。そこには、専門家というものへの盲信があります。専門家につないでおけば、ともかく安心……。
ところが、です。
つながれた先の精神医療の実力は、といえば、甚だ怪しいものがありますが、そうした現実は誰も口にしません。そのギャップが現在のメンタルヘルスを覆う大きな問題です。
しかし、こうしたことは大きな声では言えません。医療につながれて自殺をしてしまうのと、医療につながれることなく自殺をしてしまうのと、教職員にとってどちらがより罪深いことなのか……。だからともかく「専門家」につなげておく、という選択になるわけです。現代の精神医療、薬物療法の隆盛もそれを後押ししています。
大学生が心の不調に陥ったとき、保健管理センターや学生相談室を利用することのメリットとデメリットは慎重に考える必要があります。
精神医療につながれることで、多面的な要素をはらんでいるはずの問題を、「精神疾患」という狭い枠組みに押し込み、そこで薬が処方される、それが被害の温床になっていることは忘れてはならないことです。しかも、周囲もまたそれでよしとしてしまう風潮がこのやり方を補強しています。
お知らせ
茶話会
◆日時: 12月21日(土)13時から17時
◆場所: 豊島区内の公共施設。
◆参加費: 300円
◆申し込み kakosan3あっとgmail.com (あっとを@に変えてください)
(ネット被害のため閉じていたメールアドレスを復活させました。何とかなりそうです。まだ油断はできませんが……)
ゆうの会Part2
◆日時 12月21日(土) 午後1時~午後5時
◆場所 杉並区内の公共施設(メールで申し込まれた方に直接お伝えします)。
◆参加費 300円
◆申し込み chocolemoncakeあっとgmail.com (あっとを@にしてください)
お父さんお母さんの会です。
親御さんの不安を子どもは意外にも敏感に感じ取っています。まずは親御さんが安定すること。和室でほっこりしながら、いろいろお話してみませんか。
(今月は残念ながら茶話会と同日となったため、ゆうの会に私は参加できません。ご了承ください)
追記
再開した上記のGmailに例の人物からまたしても嫌がらせメールが来ましたので、このアドレスは再び削除しました。申し訳ありませんが、kakosan3@gmail.comにお送りいただいても届きません。
なぜこの人物はこのようなことをやり続けるのでしょうか。理解不能です。
「札幌なんちゃらフリーライター協会」って、何でしょうか。私が聞きたいくらいです。意味不明。
お前の「虚言」を徐々に暴いて行くから。
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11:20 (45 分前)
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お前には、トコトンしていかないと気が済まない
こっちにも「発言の自由」はあるからな?
何が、「札幌なんちゃらフリーライター協会」だよ。
笑わせんじゃね〜!!
今回の件、ブログでも徹底的にしてやったから
徐々にお前の「信者」は減って行くだろう。
今後とも、お前の「行動・行為」は見張って行くから
宜しく。