ブログが久しぶりになりました。

 じつは、嫌がらせをずっと受けています。ブログをアップするたびに、見当外れの誹謗中傷、強迫メールが届いています(半年以上続き、現在400通を超えています)。そうしたこともあり、ブログもコメント欄等閉じたままでした。

 しかし、そうしている間にもメールをいただいたり、当事者の会や親の会など、続けています。

 リアルの世界では支障がありません。

 取材にも支障がありません。

 

 さて、今日は、いただいたメールから「痛み」について考えてみたいと思います。

 この痛みは身体症状なのか精神的な症状なのか、それとも両方なのか?

 メールの一部を紹介します。

 

「私は数年前、交通事故に遭って、CRPS(複合性局所疼痛症候群)を発病しました。この病気の主訴は「強い痛み」です。24時間365日、絶え間ない痛みと共にいます。

 CRPSはまだ一般的になっていないせいか、医師でもその概念を正しく理解していない場合があります。そういうドクターの手にかかると「身体症状症」と診断されてしまいます。

実際に、私も身体症状症として、大学病院の精神科に入院して治療を受けるように、と言われたことがありました。

身体症状症は、少なくとも1つの慢性的な身体症状に、重度の苦痛、心配、日常的な役割遂行の問題が伴うことを特徴とします。 身体症状症の人は自分の症状にとらわれており、そのような症状と健康に関する懸念に時間とエネルギーを過剰に費やす、とされている。

 

大学病院の精神科受診の時に紹介状と、CRPSで間違いないと診断している医師の書面と、精神科を受診するのは納得できないと書いた私自身の書面を持参しました。

 そこにはこう書きました。

CRPSは精神疾患なのか?

私はCRPSではなくて、身体症状症だというのか?

13年前に整形外科医がCRPSと診断してから、ずっとCRPSとして治療を受けてきたが、それが間違いだったのか?

私が感じている痛みは存在しなくて、痛いと思い込んでいるというのか。

身体症状症なら、他覚症状がないはずだ。それならこの他覚症状はどう説明するのか。

すると、精神科医は「CRPSと身体症状症が合併している」と診断したのです。

しかし、私は精神科での治療を拒否しました。精神科医もそれ以上のことは言わなかったので、無事に帰宅することができました。

 1ヶ月後、同じ大学病院の、慢性疼痛の研究をしている医師の診察を受け、いろいろ検査をしました。その結果を見て、医師はこう言いました。

「精神科を受診させられてしまったけど、あなたには精神科の適応はない。痛みが強いのは身体症状症じゃなくて、CRPSの症状なのに、大変でしたね。でも、もう大丈夫」

 

慢性疼痛の概念について理解が深くない医師から見れば、ケガが治ったはずなのに強い痛みがあって、薬でコントロールができない、というのは、身体症状症に他ならない、となるのでしょう。

CRPSの二次的な障害として、うつ状態になったり、パニックになったり、精神的な問題が起こることがありますが、それはあくまでも「CRPSによる」うつ状態やパニック、「痛みなどを理解してもらえないため」に起きている精神的な問題であって、精神疾患としてのものではありません。

もし、必死に抵抗しなかったら、もし、慢性疼痛の研究をしている医師につながらなかったら、私は身体症状症として、入院して治療をされてしまったのだと思ったら、とても怖いです。

CRPSによるうつなどが起こり得るから、とリエゾン精神科を受診していましたが、診察と言っても一方的に抗うつ薬を勧められるだけです。私の話を聞いてはくれず、わずか5分で診察が終了して、受診する意味があるのだろうか?と疑問でした。

 

病気ではないのに病気にさせられてしまう方がまだまだ大勢いらっしゃること。病気にさせられてしまったことで、間違った治療を受け、取り返しのつかないことになってしまった方も大勢いらっしゃることをかこさんの記事から知りました。

診断は医師にしかできないこと。だからこそ、きちんと勉強して、理解して診断をしてもらいたいと切に願います。」

 

痛みという他者に伝えることが難しい症状、あるいは医師があまり出会ったことのない症状の場合、原因を「精神」に求めがちです。

長引く離脱症状は身体表現性障害(≒身体症状症)であると考える精神科医がいます。また、子宮頸がんワクチンの副反応の症状を解離性の症状と言った精神科医もいました。

メールを寄せてくれた方のように「自覚症状」だけでなく「他覚症状」があってもなお、身体症状症とされてしまいがちなのですから、離脱症状など、精神科医にしてみればどう見ても「身体症状症」に見えるわけです。

そうとらえれば、それはその人の新たな疾患になります。

そして、新たな治療対象に。

検査をして異常がないにもかかわらず、症状を訴え続けると、精神科に回されるケースが多いようです。果たしてそれでどれくらいの人が救われているのか? 身体症状症が改善したという方のお話も聞いてみたいところです。