59日から読売新聞「医療ルネサンス」で『「しばらない」病院』を連載中だ(今日は全6回中3回め)。

『「しばらない」病院』とは岡山県倉敷市にある「まきび病院」のことだ。

(ホームページ)http://www.makibi.or.jp/index.htm

一つの病院を6回も連載するその理由を、「医療ルネサンス」はこう説明している。

 

「日本の精神科医療では、対話よりも薬物治療が重視される。現在も、全国で1万人以上の人が身体拘束を受けている。異彩を放つまきび病院の実践を患者の目線でたどる。」

 

 下記のグラフを見るまでもなく、ここ数年、日本では身体拘束が(隔離と共に)うなぎ上りに増え続けている。そうした中「しばらない」としたら、たしかに「異彩」を放つ病院といっていい。

 

 

 https://www.norestraint.org/%E9%9A%94%E9%9B%A2-%E8%BA%AB%E4%BD%93%E6%8B%98%E6%9D%9F%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B-%E6%BA%96%E5%82%99%E4%B8%AD/

 

 記事はまだ3回だが、読んでみると、とてもいい病院のようではある。看護師が患者に寄り添い、時間を惜しまず話を聞き、患者の気持ちを第一に、看護を続けている(ように記事は伝えている)。

 たとえば、連載2回めではこんなふうだ。

『「100%の安全より患者さんの自由を優先する覚悟はある」と、能口さん(看護師)は言う。目を配る範囲が広がり、勤務中の歩数は前の勤め先に比べて3倍に増えたが、それも楽しい。まきび病院ではこれまで、大きな事故は起きていない。』

 

『「しばらない」空間とスタッフとの対話が、統合失調症などの治療に有効なことをが近年、世界的に注目されている。国内で普及していない背景には、病院のスタッフ不足や、自己帽子を重視する意識がある。』

 

 今日3回目の記事にはこうある。

『施設が古いまきび病院の保護室は快適とは言えないが、「保護治療室」と位置づけられ、隔離目的だけでない手厚い医療とケアを行っていた。患者が最もつらい時期にこそ支えが必要で、ギリギリまで寄り添えば回復のヒントも見つかるという考えに基づく。身体拘束もしない。』

 

 おやおや、これはまきび病院の提灯記事なのか?

 何かウラでもあるのだろうか。

 連載はまだ半分終わったところだが、残りの記事もだいたいの想像はつく。なんだか炭酸の抜けたソーダのような、甘ったるい記事……。

 まだ読まれていない方、明日からあと3回ありますから、どうぞ読んでみてください。そしてどんな印象を持たれたか。お知らせいただければと思います。