減薬の勉強、そして理解ある医師との出会い
退院して、2週間ほどは自宅療養していましたが、6月から職場復帰しました。仕事は正直辞めたかったですが、もう一度、自分なりに精一杯して、それでもだめなら、次の仕事を考えようと思いました。で、時間があれば、精神薬の知識を頭の中にいれていき、今度はどうしたら、うまく減薬できるか考えました。
やはりうつや不眠は、自然治癒力でしか治らないと分かったので、また、M先生にメールで相談したりして、整体を受け始めました。不安なことはメールで聞き、私の中での一番の良き理解者でした。両親には整体を受けていることも減薬していることも黙って、毎週のように整体を受け続けました。自分の身体に正直になり、無理な減薬はせず、ゆっくりゆっくり減薬をしていきました。仕事を続けながら、減薬断薬をすると決めていたので、本当に微量の減薬です。
平成27年12月には、ようやく理解のあるお医者さんがみつかり、その先生が私にこう言いました。「あなたは、申し訳ないが発達障害でもない、うつ病でもない、双極性障害でもない。最初のうつ症状は、ただのノイローゼだったんよ、仕事やめて、温泉でもつかっていたら治っていたよ、それが、たくさんの薬をのまされて、いろんな症状がでて、こんなことになってしまったんよ。いわゆる薬害だな。だから、減薬したら治るよ、伊藤さんの病名は、正直ないけど、薬処方しないといけないから、とりあえずつけるけど、ま、神経症かな」と言われました。
ようやく私のことを理解してくれるお医者さんを見つかり、そこからは、漢方薬も処方してもらい、整体と漢方薬で徐々に減薬していきました。自分もそれにあわせて色んな勉強をして、東洋医学系の知り合いの方に、甘いものを食べすぎだと言われ、糖質制限も始めました。
生活習慣、食事習慣を徹底的に見直して、自分の身体の体質改善をすると、離脱症状はあまり感じなくなりました。途中、結婚破談があり、すごいストレスがありしんどい時期がありましたが、その間も減薬を続けました。自分の中で、最後のあたりは減薬を楽しんでいました。「これだけ減らせたのに、離脱症状がでてないとか、自分の身体は頑張れば変わるもんなんだなと。」
減薬を再開してから、仕事は一度も休まず、無事に断薬することができました。減薬方法に関しては、ランドセンは、リボトリール細粒を使い、3週間で0.01mgずつ、減薬していき、リフレックスとコントミンは、薬局で粉砕して、乳糖を混ぜてもらい、微量減薬していきました。
減薬は人体実験
私は、急激な減薬で失敗したので、自分の人生をそれなりに楽しみながら、仕事を続けながら減薬していくことを目標としていたので、本当に、ゆっくり減薬していきました。減薬方法には正解はありませんが、本当に微量ずつ減薬していくのが大事です。あとは、減薬をお医者さんに任せないことです。減薬はお医者さんでも、何も分かりません。どれだけ減らしたら、どんな離脱症状がでるかは誰も分かりません。
例えば、コントミンを減薬するとき、お医者さんは、コントミンは離脱症状少ないから、12.5mgずつ減らしたら大丈夫と思うけどと言われていましたが、私は断りました。コントミンは、粉砕して、2.5mgずつ減らしていきました。
このように、私は、減薬に理解あるお医者さんと減薬しましたが、減薬量は、自分で決めて、先生に処方箋を書いてもらいました。徹底的に薬のことを調べて、エクセルで薬の減薬は管理してました。
私は、減薬は人体実験だと思います。私は、離脱症状が出やすい人間です。リボトリール0.01mg減らしただけで、右肩が異常に痛くなったりしていました。減薬中に、リボトリールの血中濃度をはかりましたが、半分以上減っていたのに、かなり効いていて、お医者さんが驚かれていました。
そんな私でも、減薬断薬できたのだから、この日本で離脱症状に苦しんでいる方も、必ず微量減薬して、整体や漢方薬、食事習慣、生活習慣を見直して、身体を変えていけば必ず断薬できると考えています。
私が、ここまで慎重に減薬したかは、もう両親に迷惑をかけたくなかったし、あの鍵付きの部屋に戻りたくなかったからです。
減薬中から、仕事のことは悩んでいました。減薬、断薬は多分このままいけば成功するから、今、日本で減薬に苦しんでいる人の助けができるようなお仕事がしたいと漠然と考えていました。私は、リハビリの仕事を始めた当初、色々悩みました。それは、最近よく言われる、高齢者の多剤大量処方であったり、認知症の方へ精神薬を投与することなど、今でも嫌になることはありますが、当時は、西洋医学の悪いところばかりに目がいき、正直やめようと思っていました。
今の私は、西洋医学は必要と考えています。でも、西洋医学の限界はあると思います。西洋医学で限界がきたとき、どういうアプローチをするかが問題と思います。また、西洋医学のリハビリは、人間の身体を3つの領域にわけて、リハビリします。理学療法、作業療法、言語療法。私は、1人のセラピストが3分野を担当すべきと思います。西洋医学はどんどん細分化されていますが、私は、身体全体をみるセラピストになりたいと思い始めました。だから、西洋医学のリハビリには興味が薄れていき、身体全体をみることが人間にとって大事だろうと考えました。
整体スクールで修業をして開業へ
ネットなどで色々調べていたころ、私が長年お世話になっている、M先生が整体スクールを開くことを聞いて、人柄は十分素晴らしいことは知っていましたし、自律神経に特化した整体なら、うつや不眠で悩まれている方のサポートができると思い、即決しました。
1年間、働きながら、修行を続けました。結構、しんどかったですが、素晴らしい仲間に出会えて、お互い支え合いながら1年間頑張りました。昔の私は、自尊心が低く、セルフイメージもなく、自己否定ばかりしている人生でした。今は、大きく変わりました。毎日、生きているのが幸せです。このような考えに変わったのは、整体スクールで1年間学んだおかげです。M先生に出会えたことは私の人生のターニングポイントだったと思います。
1年間、修行をおえて、「うつ・不眠」専門の整体院を開業しました。整体院を開いて思ったのが、こんなにも多くの人が悩んでいるのだなという現実です。私は、整体だけでなく、食事習慣や生活習慣を指導して、アプローチしています。悩みが深い人は、カウンセリングもします。
私は、この整体で、100%うつ病が治りますとは言いません。可能性はありますが、治るには時間もかかるし、生活習慣や食事習慣も直していかなくてはいけません。また、考え方や生き方なども見直していく必要もあります。西洋医学みたいに、即効性はありません。時間をかけて、ゆっくりゆっくりです。例えば、10年、うつや不眠で悩んでいる人が、1~2回の施術で、薬を全部やめれて、治るなんてことは、ほぼないと思います。うつや不眠、パニックなどの慢性疾患は、薬では治りません。自然治癒力でしか治らないと思います。10年薬で抑えていた人の自然治癒力は、すぐには発動しないです。色んな努力をして、待つということをしないと人間は変われません。この世には、色んな療法があるので、お金に許すかぎり、色々試してみるべきだと思います。
私も色々試しました。サプリメント、鍼灸など。でも自分の身体にあったのが、整体と漢方薬でした。多剤大量処方から抜け出して、ここまで立ち直れたのは、運かもしれません。正直、分からないです。でも、私は、どんなにお医者さんに言われても、自分は絶対治るという気持ちを持ち続けたからでしょう。
なぜ、私は、お医者さんの言う事を信じなかったのかは、精神医療の診断は、主観的だからです。採血などのデータに基づく客観的ではないからです。私は、確かに、神経質だし、変わっているから発達障害かもしれないです。でも、数字の根拠はないです。将来、採血で、発達障害か否かのデータがとれるようになったら、分かるかもしれないです。仮に発達障害だったとしても、私は今後もコンサータなどは飲まないでしょう。
最後に、私が精神医療についてどう思っているかを述べます。私は、肯定もしません、否定もしません。中立の立場です。統合失調症や双極性Ⅰ型は薬が必要と考えています。(薬剤性は除く)でも、多剤大量処方はダメです。単剤で低用量でコントロールするべきです。うつや不眠、パニックの方も、別に断薬しなくても、単剤でコントロールできていて、その人が毎日幸せに生きているのならそれは、別に断薬する必要性はないと思います。しんどいときは、抗うつ薬や睡眠薬飲んでもいいと思います。しんどい時は、みんな病院に行きます。でも、なかなか治らないときは、色んな治療法を考えてみてはと思います。最近、精神医療のバッシングが激しいです。私は極論すぎると思います。例えば、将来、認知症になり、意思疎通ができなくなり、不穏状態になれば、多くの人は精神薬で抑え込まれると思います。(変わってほしいですが)
だから、誰しも精神薬にはお世話になる可能性があります。私も、将来、認知症になり、不穏状態になれば、薬を飲まされるでしょう。確かに、こんな医療はおかしいと思いますが、これが現実です。これから、精神医療がどんどん良い方向に向かっていくことを私は強く望みます。これから、私は、整体院で整体施術やカウンセリングなどで多くの悩んでいる人のサポートができたらと思います。長文読んでいただきありがとうございます。