215日、午前10時より、千葉地方裁判所で開かれた石郷岡病院、准看護師らによる傷害致死事件の裁判傍聴に行ってきました。

 裁判は今日が初日、検察、被告弁護人の冒頭陳述が行われ、被告2名はそれぞれ容疑を全面否認しました。

 以下は、ヤフーニュースの記事です。

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170215-00007382-houdouk-soci

病院で暴行死初公判「正当な看護行為」

千葉市の精神科病院で、患者の男性が看護師に暴行を受け、死亡した事件の初公判が行われた。

この事件は20121月、千葉市の精神科病院「石郷岡病院」で、当時准看護師の菅原 巧被告(63)と田中 清被告(67)が、入院中の弘中 陽さん(当時33)に暴行し、首の骨を折って死亡させた傷害致死の罪に問われている。

弘中さんの父親は「看護師2名を許せない、本当に許せない」、「非人道的な虐待に近い、人間のプライド、尊厳を踏みにじるような行為」と語った。

初公判で、菅原被告らは「正当な看護行為だった」と起訴内容を否認し、検察側は「卑劣かつ危険な行為で、犯行は短絡的なもの」と指摘した。

 

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 これが「正当な看護行為」だとしたら、精神科病院では、ほぼ何をやっても「看護行為」ということになります。

 被告弁護人の冒頭の言葉です。

「保護室にいる患者さんは中には暴れる人もいる。被告は1月1日(事件のあった日、元旦にもかかわらず働いていたといわんばかり)、優しく精神に障害を持つ患者さんに流動食を与え、おむつを替えていました。そんなとき突然患者が暴れだし、看護師は自傷を防ぐために咄嗟に患者さんを押さえつけた(だけ)のです」

 

 裁判員裁判ですから、精神医療にはまったく知識のない人たちが相手です。

 精神障害者に対する偏見を煽りつつ、そういう人たちを看護する被告の立場を擁護し(善人説)、患者が暴れたのがそもそもの事の始まりという主張ですが、それを通してしまう世間の認識もあり、そこが怖いところです。

 しかし、映像があり、それでもなお「無罪」を主張し、「正当な看護行為」と言わしめてしまう「異常さ」を痛感します。精神医療そのものがいかに「常識」からずれたものであるか……せめて、厳正な判決が下されることを願います。

 判決は3月14日です。