コメント欄で紹介していただいた処方に関するデータをじっくり眺めてみました。

 第一回NDBオープンデータ

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html

 厚生労働省が平成2810月に発表した、レセプトの集計結果です。(平成264月~平成273月の1年間) 

 年代別に、どの薬がどれくらいの数量が出ているのかがわかります。

 院内処方、院外処方、入院時の処方と分けられており、さらに子どもへの処方ということで、0~4歳 5~9歳 1014歳までの数字を調べてみました。

 ちなみに最低年齢、0~4歳で処方されている薬を挙げておきます。(種類の多さに驚きました)。

催眠鎮静剤・抗不安薬

 セルシン2㎎

レキソタン2

フェノバール30

トリクロリールシロップ10

抗てんかん剤

テグレトール100㎎

デパケンシロップ5%

デパケンR100㎎

 デパケン細粒40

ラミクタール25

 ラミクタール100㎎

 バレリンシロップ5%

エピレナートシロップ5%

 エクセグラン100㎎

 アレピアチン散10%

 セレニカR顆粒(40%)

 セレニカR200

 イーケプラ250㎎

 イーケプラドライシロップ50%

 トピナ50㎎

 バルブロ酸ナトリウムシロップ(日医工)

 バルブロ酸ナトリウム細粒40%(EMEC

  リボトリール細粒0.1%

 テグレトール細粒50%

 ガバペン200㎎ 

抗パーキンソン剤

 アーテン2㎎

 アキネトン1㎎

 ドパコール配合錠L50

精神神経用剤

 リスパダール1㎎

 リスパダール内服液

 アタラックスPカプセル5㎎

その他の中枢神経系用薬 

ロゼレム8㎎

ミオカーム内服液33.3%

 

抗てんかん薬が多いのが目立ちます。てんかんと診断された子どもへの処方でしょう。それにしても0歳から4歳です。リスパダールや抗パ剤まで処方されています。0歳から4歳の子どもが抗精神病薬の副作用でパーキンソン病状態となり、その副作用止めとして抗パ剤が処方される……。

薬は、もちろん年齢が上がるごとにその種類も増えていき、処方件数も増加していってます。

 

リスパダール、エビリファイの子どもへの処方実態

とくに気になる薬剤……リスパダールとエビリファイについて、以下、年齢と件数(男女)を一覧にしてみました。

今は院内処方は少なくなり、多いのはやはり院外処方ですが、リスパダール1㎎とエビリファイ3㎎の外来院外処方のデータが公表されていません。

この二つの薬剤は、昨年、小児の自閉症の易刺激性に対して追加承認された薬です(5歳以上)。

この数字はそれ以前(平成2627年)のものですから、つまり、ここにある数字はすべて「適応外処方」としての数字です。しかも外来で処方されることの多い数字がふたつともないのはどういうわけなのか。いろいろ詮索したくなってきますが、何か正当な理由でもあるのでしょうか。

さらに、このレセプト集計には、いわゆるADHD薬であるコンサータとストラテラの数字が見当たりません。

これにも何か理由があるのかどうか……。

厚労省に尋ねてみようと思います。

 

それにしても「データなし」をのぞいても、この二つの抗精神病薬がこれほど小児に処方されているとは、愕然とさせられました。0歳から14歳の、まだ脳が完成されていない子どもに対してです。

もちろん、その他、パキシル等抗うつ薬も多数処方されています。(実際のデータをご覧になってください)。

子どもに対する向精神薬の処方実態をこうして数字で見ると、ちょっと絶望的な気持ちになってしまいます。