知人の減・断薬経験者の方(女性)がご自身のフェイスブックにアップした文章を、了解を得て、そのままお伝えします。

 デパスを入口に、あれよあれよという間の多剤大量処方。もちろんメジャーもてんこ盛りに出されて、CP換算値がなんと6000㎎という記録の持ち主です。



向精神薬をやめた経験から。

向精神薬は、脳に直接作用します。

いじられます。


いっときは脳が麻痺するから、助けられた感が得られます。



 それは、感じないようにしているだけ。



根性論を降りかざしたくありませんが、最後は自分との戦いです。

 あらゆる離脱に耐えるだけです。


どん底まで落ちたら


 ひたすら上にはい上がるしかないんですから。

それを味わったら二度と飲みたいとは思いません。



お題目のように


やめたい、やめたい


誰か助けて


と言ってる間は止められません。



人の体はそれぞれ。

体力、年齢、飲んだ薬


みんな違います。


止められない!

と嘆いているうちは止められない。


人に頼っているうちは無理です。



そして、何とか止められても、それからが勝負です。

向精神薬を飲むきっかけになったものに、立ち向かわなければならない。

薬を飲んで麻痺させていたものから覚醒されますから。



人間関係、トラウマ、劣等感……。



逃げてきたものと、正面から向き合うことになります。


そこから逃げたら、また向精神薬のお世話になる事になる。


正面から向き合い、自分の人生を自分のものにしないと、他のものに依存するはめになります。



薬で解決する事なんてないですから。


 楽になりたいと言うたった一粒から、地獄が始まります。



 短い文章ですが、実際飲んでしまい、のたうち回りながら薬をやめていった方の本音がここには語られていると思いました。



「止められない!
と嘆いているうちは止められない。」


 これまで断薬に成功した人の経過を見ていると、厳しいけれど、やはり、そういうことなんだと実感します。

 そして、やめた後のこと……。

「向精神薬を飲むきっかけになったものに、立ち向かわなければならない」というのは、まさにその通りです。

減・断薬は、じつは薬だけの問題ではないのでしょう。

薬の勉強は大切ですが、いくら薬の勉強をしても、離脱症状が軽くなるわけでも断薬できるわけでもありません。

体験者ゆえの厳しい言葉が並んでいますが、おそらくこれが「真実」だろうと思います。



もちろん、こういう体験を否応なくさせてしまう精神医療のレベルの低さは大いに問題です。しかし、それでもなお……ということです。飲んでしまった、引き返すことのできない、この現実から這い上がるためには、自分自身と向き合わざるを得ない、と。