先日お伝えした「学校現場は精神科医の助けを求めている」に対する抗議文

http://ameblo.jp/momo-kako/entry-12043703159.html

を教育関係者のお三方にお送りし、7月10日までのお返事をお願いしておりましたが、現時点で(13日)一通も届いておりません。

 おそらく「黙殺」することを相談して決められたのでしょう。

 手紙には返事がなかった場合にもこのブログでその旨をお知らせすると伝えてありますから、おそらくこれを読まれていることと思います。

 この問題については、今回で終わりにするつもりはありません。子どもと精神医療についての続編本を書こうと考えていますので、そこで改めて、学会における先生方の発言と、抗議文を誰に送ったか、取り上げることにしようと思っています。



 

 さらに、以下の記事はぜひ学校現場におられる先生方にお読みいただきたい内容です。

『精神科治療学』という雑誌に、「統合失調症の早期介入の功罪」と題する論文が掲載されています。筆者は、ひきこもりなどの著書の多い精神科医(専門は思春期・青年期の精神病理学)の斎藤環氏。

 この雑誌が出たのが平成25年の11月で、私の本『ルポ 精神医療につながれる子どもたち』が出たのも同じ平成25年12月です。そして、斎藤氏の論文の内容は、私が本で書いた早期介入批判とほぼ同じで、正直驚きました。(日本にも少しはちゃんと考えている精神科医がいるのだという驚きと、視点の重なり具合と、書いたのが斎藤環氏だったことへの驚き。)。

 まず、抄録を引用します。

 (オーストラリアの)マクゴーリ―らの「ARMS」概念に代表される、統合失調症への「早期介入」について、批判的視点から検討を加えた。

() ARMSから発症に至る可能性は高くない。

() 精神病の確実な予防手段は存在しない。

() 予防的な薬物療法は危険を伴う。

() 医療化とスティグマの問題がある。

また、日本に独特の問題としては、

() 児童青年期精神医学の「後進性」。

() 診断技術の信頼性の低さ

() 薬物療法偏重の傾向が指摘できる。

 以上により、早期介入研究のあり方は根本から見直されることが望ましい。