現在、体験談をたくさん寄せていただきながら、まだ記事にすることができずにいます。

 近いうちに公開したいと思います。




 体験談に限らず、コメントやメッセージで数多く寄せられるのは、やはりベンゾジアゼピンの離脱症状です。「減薬、断薬」と、このブログも含めて、特にネットの中で訴える人が増え、そのため長期服用をしてきた人たちが減薬に踏み切ったことが影響しているのかもしれません。(しかし、何度も書きますが、私はむやみな減薬・断薬を推奨しているわけではありません。服薬を否定するものでも、ましてや弾劾するものでもありません。ベンゾ、抗うつ薬、抗精神病薬など向精神薬の急な減薬は非常に危険です。)

 それにしても、数の多さからいって、ベンゾジアゼピンの問題は精神医療の問題の大きな部分を占めていると感じます。

 ブログエントリ「ベンゾジアゼピンの問題」

http://ameblo.jp/momo-kako/entry-11428301113.html

のコメント欄は今も自己増殖を続けています。

 

 もう一つ、最近の例で感じているのは、精神科病院への入院被害です。入院時の人権侵害に近い(いや、人権侵害そのもの)扱いや治療、さらには医療保護入院を利用した精神医療の悪用(精神医療側も、わかっていて利用されている部分もある)。

 入院時のあまりに恐ろしい経験のため、心が壊されかけている人。電話で話を聞くまでに、何度も躊躇し、それでも勇気を振り絞って電話をかけてきてくれた女性の話は、あまりにひどく、言葉を失いました。男性看護師の暴力(信じられないほどの暴力です)、いじめ、策略……犯罪行為としかいいようがありません。女性は電話で話すだけでも、誰かに知られるのではないか、またはめられるのではないかと怯えきっていました。

 さらに、遺産がらみの拉致入院。家族による、これも犯罪としか言いようがない行為です。精神科病院にしたところで、家族間でそうしたトラブルがあることは十分承知しているはず。にもかかわらず、「保護者」の訴え一つで、誰でも気軽にすぐに入院させてくれます。こんなお手軽な「抹殺方法」はないでしょう。

 この方もお話を伺っただけで、詳細の公表はやはりまだ「人間不信」「恐怖」があるため、控えたいとのことでした。

 こうした声にならない声がどれくらいあることでしょう。




 話があっちこっちいきますが、最近読んだ本について。

 例の近藤誠氏の著書

 
医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法/アスコム

¥1,155
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 これを読むと、日本の医療はもうだめかもしれないと感じてしまいます。
 精神医療で起こっている問題が、がん治療、高血圧、高コレステロール血症の治療などにおいて、そっくりそのままの形で起こっています。(どちらが先かわかりませんが)。

ちなみに、日本には現在、高血圧患者が4000万人いるそうです。

ものすごい数だと思いますが、本当にそんなに高血圧で治療を要する人がいるのでしょうか。

患者数の増加は、操作されたものです。それは最高血圧の基準が160mmHgから140、そしていまや130に下げられたからです。

精神疾患患者もいまや(平成20年の数字)323万人といわれています。

これは社会情勢の変化によってうつ病などが増えたためという論理ですが、実態としては、うつ病そのものが増えたのではなく、高血圧の基準を下げて高血圧患者が増えたのと同様、うつ病とする診断基準の果てしない拡大解釈の結果です。

高血圧のガイドラインの操作(基準値を下げた)によって、どういうことが起こったか。

降圧剤の売り上げ増によって、製薬会社がもうかったということです。

1988年には降圧剤の売り上げはおよそ2000億円だったものが、この20年間でなんと1兆円を超えて6倍に膨れ上がりました。

抗うつ薬の売り上げもSSRI導入後、ものすごい勢いで増えています。(ちなみに1998年は173億円だったものが、SSRI発売の1999年には220億円となり、2000年には308億円、そして2006年には875億円と、たった8年間で4倍以上の伸びです)。

近藤氏の本から引用します。

「基準値をササッといじって、薬の売り上げ6倍強。血圧商法、大成功です。

 また、基準作成委員の多くが、製薬会社から巨額の寄付金を受け取っているのも問題です。たとえば2005年に作成された、高血圧の基準も含む日本版メタボ診断基準の作成員会メンバー。そのうち国公立大の医師11人全員に、2002年~04年の3年間に、高血圧などの治療薬メーカーから合計14億円もの寄付金が渡っています。」




精神医療に関しては、例えば、うつ病において、SSRIを売り込むための旗振り役を演じた、製薬会社と密接な関係を持つ精神科医が何人もいます。たとえば、樋口輝彦氏(国立精神・神経医療センター理事長)はうつ病の早期発見早期治療を一貫して訴えていますが、2010年から11年の約1年間で、製薬会社から370万円超の謝礼金を受け取っています。多くが高級ホテルなどで行われた薬のプロモーションへの出席のようですが、こうしたことはうつ病に限らず、統合失調症や、さらに発達障害においても、同様の構図が成立しています。


「早期発見、早期治療」と言えばがん治療。

ひいては病気にならないための「予防医学」。

しかし、近藤氏曰く、「予防医学」は「患者を呼ぼう、医学」だそうです。

検診を受けて、放置しておいても大丈夫なガンをいじくりまわし、結果的に命を縮めている――医療が病気を作っているということです。

そして、精神医療がガンの「早期発見、早期治療」を見逃すわけがありません。予防的介入まで今やまことしやかに叫んでいます。




医療を信じすぎないこと、とりあえず病院に行けば、医者が何とかしてくれる……そんなことはないのです。

「病気の9割は、医者にかかったからといって治るわけでも、回復が早くなるわけでもありません。」と近藤氏は断言します。

 にもかかわらず、薬の副作用や後遺症のリスクはとても大きい。

 にもかかわらず、多くの人がやはり病院に行き、「専門家」に診てもらい、薬を処方されないと安心できないのです。

 それが当然と考えている人がほとんどで、もし仮に、面と向かって、近藤氏が書いているようなことを誰かに言ったりすると、「変人」、「医者嫌い」、あるいは高いサプリメント(民間療法的な)でも売りつけたいのかなど、そういう目で見られがちです。

 しかし私は、人間ドッグなどお金がないので一度も受けたことがありません。フリーという立場なので、会社の健康診断も受けたことがなく、無料だからといって面倒なので、市が行うがん検診も受けたことがありません。毎年インフルエンザワクチンも接種したことがありません。

 こんなことを言うと、軽蔑されます(野蛮人だと思うのでしょうか。)

 ちょっと不調を感じたら、すぐ医療にかかるのがいいことのように大勢の人が考えていて、その価値観を当然のように(いいことを教えてあげます的に)押し付けられます。

 それが日本の風潮のひとつになっています。しかし、そういう価値観が変わらない限り、医療が抱える問題の多くは改善、解決されないでしょう。



 こう書くと、薬害にあった場合、「では、医療にかかった人が悪いというのか」という論理が出てきます。

 そうは言っていません。日本の文化の中に、人々の意識の中に、医療への盲信があるのです。そこから自由でいることは、一般的には難しいことです。

しかし、変えていく必要はあります。国民皆保険は素晴らしい制度ですが、一方でそれが薬漬け医療につながってもいます。

医師、薬への依存的信頼感も捨てる必要があります。

近藤氏は「医者は患者を脅してお金を払ってもらった上に、しょっちゅう体を不自由にさせたり、死なせたりする」ので、ヤクザや強盗よりタチが悪いと言っています。

「信ずる者は、救われない」ということです。

しかし、一方で、「もっと早く言ってほしかった」、そう心の中で叫んでいる人が大勢いることも痛いほど知っています。