(3からのつづき)



こうして今まで服用した薬を見てみると、めちゃくちゃな処方だな……と素人の私ですら、こんな処方、危ないと分かります。

私はモルモットだったのか…。情けなくなります。



現在はソラナックス、メイラックス、グランダキシン、ベンゾジアゼピン系のみ服用中です。

今の主治医は「あなたに薬は必要ありません。ゆっくり自分のペースで減薬してください。」と言ってくれるので、全て薬の管理は私に任せています。



離脱に苦しむ人達は孤独です。誰も助けてはくれず、それどころか暴言を吐かれ、馬鹿にされ、嘲笑われ……加害者(病院側)に、どんどん追い詰められていくのが現実なのです。

一番理解してほしいはずの家族まで、医者に騙されて「お医者さまがそういうのならば…」と自分の子供より加害者を信じる。

八方塞がり。まるで追い込み漁…。

為す術もなく、再び薬漬けに逆戻り……。

これが先進国の精神医療なのか?

精神科医は独裁者です。




いまの私の主治医は、昔、薬学を勉強していたために、たまたま離脱や副作用に詳しく、「大学にいた頃、教授にベンゾジアゼピンの離脱について調べろと言われ、調べたり勉強した時期があったから分かったものの、精神科医でも知らない人は知らない。患者が色々と副作用などを教えてくれる。私は飲んだことがないから、飲んだ人しか分からないからね。」と話していました。



パキシルの副作用の鼻血の事は、出血傾向の発表がまだない頃から知っていて、

「私の患者で3人だけだった。(私を含め)鼻血が出ると訴えてくる患者はみんなパキシルを服用していることに偶然気が付いた。学会で発表しても誰も信じてくれず聞き流された。(2006年頃)鼻血が出る人は、皆パキシルが体にあわない人だったよ。」

そう言ってから4年後の2010年頃にパキシルの出血傾向が発表されました。



また、いまの主治医は離脱症状と薬物代謝酵素は深く関係していると私によく話してくれます。

私は薬を減薬してから7日目~14日目で離脱症状が出ます。遅いですよね。普通は3日目位からです。(短期間型と長期間型では違いますが)

私は長く体に薬が残りやすい体質なのだそうです。だから遅く離脱症状が出るのです。薬物代謝酵素が少ないために。



しかし、薬物代謝酵素が多い人の場合は、早く離脱症状が出ます。一日飲み忘れただけで、離脱症状に襲われる人がこのタイプです。

主治医いわく「アメリカの最新の病院で(VIPが通うような高級な病院だそう)、薬物代謝酵素の話が2010年に発表になったんだよ。精神科だけではなく、その人にあった量を処方しなければいけない。5錠飲んでも効かない人。1錠だけなのに効きすぎる人。皆一緒にしたら大変なんだよ。」

私だけではなく、離脱に苦しむ人や、これから減薬を考えている人は、自分がどういった体質なのか見極めてから、慎重に減薬することも大切ですよ。」




以上が「どんぐり」さんから送られてきたメールです。

まずはよい医師に「どんぐり」さんが出会えたことはよかったと思います。

離脱症状についてここまでの理解と知識を持っている医師はそう多くないのではないでしょうか。現主治医の見解やCYPについての話は参考になると思います。また、パキシルの出血傾向にしても、この医師が患者をいかに注意深く診ているか、その証でもあるでしょう。




それにしても「どんぐり」さんが経験されたこと、そこには様々な問題が隠れています。

ちょっと変わった子、思春期の揺れ動きの中で、集団になじめずストレスを抱えた結果の精神科受診。もし「どんぐり」さんの前主治医が患者の話にじっくり耳を傾けていたら(もっともこの医者は聞くには聞いていたようですが、まったく医師としての聞き方ではないようです)。それどころか、この医師は患者を自分のおもちゃのように扱い、結局は必要もない薬を大量に処方するだけでした。副作用には副作用止めを出し、患者ははその副作用にも苦しむことになる。

ご両親も最終的には認めているように、個性や性格は向精神薬を飲んだからといって、どうにかなるものではないのです。

そして、そうした「特性」――ちょっと変わった子、こだわりが強く、頑固と「どんぐり」さんは自分のことを分析していますが――を持っていると、集団の中で苦労する人は、特に画一的なものを好むこの日本では多いと思います。


「どんぐり」さんは自ら精神科の門を叩きましたが、これもうつ病キャンペーンなどの結果、精神科の敷居が下がったためでしょう。昔なら17歳の女の子が精神科に行くということはほとんどなかったと思います。つまり、「啓蒙」の結果が、こういうことにつながっていくわけです。

 そして、もし「どんぐり」さんが現在17歳だったとしたら、いやそれより若く中学生だったとしたら、こうしたある種の特性によって集団になじめず、ストレス→慢性胃炎→不登校となった場合、教師、養護教諭、スクールカウンセラー等々は、どのような処置をとることになるか……。

おそらく多くの場合、最終的には、「専門家に相談したほうがいい」ということで、精神科につながれることになるのでしょう。そして、結局は、29歳の「どんぐり」さんが辿った道と同じような体験をすることになる。