山桜さん(ハンドルネーム)という女性から、かなり長文のメールをいただきました。何回かに分けて、公開させていただこうと思います。




多忙の日々、家庭でのストレス

 平成7年、今から15年前、山桜さんは小学校の教員をしていました。学校は研究指定校であり、彼女はかなり忙しい毎日を送っていたそうです。朝の5時半に起きて、子どもたちのお弁当を作り、朝食の用意をし、8時から夜の7時すぎまで勤務。睡眠時間は5時間足らず、徹夜の日もあったりして、疲労感はピークに達していました。そんな状態だったので、風邪をひきやすく、また生理痛や頭痛に悩まされることもしばしばだったとか。

 そんなとき、同僚に「季節性うつ病」という人がいて、山桜さんも、体の不調はもしかしたらうつ病だからではないか……。また「医学大辞典」などでいろいろ調べてみた結果、その思いはさらに強くなったそうです。

 義父母との同居も山桜さんにはかなりのストレスになっていました。田舎ゆえの窮屈さ。親戚、近所との付き合い方……。

 なんとなく「心が落ち着かない感じがおき」、彼女は生まれて初めて精神科を受診することになりました。(以下、山桜さんのメール)




精神科受診(平成7年11月)

近くの精神科を受診し、日頃のストレスを話したら、「とりあえず薬を飲んで様子を見ましょう。それで治らなかったら、1月休みましょう」と言われました。

どこが辛いか、何が心配できたのか、聞きませんでした。一体どこが悪いのかもわからなかった。病名もわからない。なぜ薬を飲むのかもわからない。何のための薬かも説明がないのでした。今まで風邪ぐらいしか病院にかかることがありませんでしたので、質問もできませんでした。



1週間、マイナートランキライザーを飲んで、どうなったかというと、少し仕事をしたくなくなり、仕事に対して不安を持つようになっただけでした。



1月休んだ方がいいと医師に言われたので、そんなに悪い状態なのか心配になりました。もう一度行って、医師の話を聞いたほうがいいのではないかと思い、年休をもらうために、管理職に相談しました。

すると教頭が「休まなくてもいい医者がいるけど、そこに行ってみないか」と他の開業医を紹介されました。そこは個人医院で土曜日も開業していて、内科、心療内科、精神科、等看板を掲げており、多角的な診断を得られるのかと期待しました。



受診するとまず用紙を渡され、どのような行動をするかといったようなことが何度も、質問が重なるような問診票でした。何ページもありました。そして、気になることの項目に、「死にたいと思うことがあった」と書きました。しかし、それは教員2年目のことで、勤務の忙しさに睡眠不足になり、こんなくらいなら死んだ方が楽だと思った、そのときのことを書いたのでした。もう10年も前のことです。

そして、医師とは日頃の家族との軋轢を話しました。うつ病はストレスから来るので、ストレスに感じることを話したほうがいいと思ったからでした。

私の話を聞き終わると、医師はすぐさま、「躁うつ病です」と断じました。

私がただ一方的にストレスのことなどいろいろ話しただけで、医師からの質問は全くないのにです。




躁うつ病という診断

うつ病ではないかと思っていたのが、躁うつ病でした。でも、躁うつ病と言われても、買い物は決められた額以上にしたこともないし、浪費はもちろんありません。けちなぐらいでした。睡眠は短かったけれど、夜中に目が覚めることもない。迷惑行為もしていないし、怒鳴られたことはあっても怒鳴ることもない。

なぜ躁うつ病? と思いました。

それに、今から思えば、薬を飲まなければならない症状は何もありませんでした。あのとき感じた落ち着きのなさは病院へ行くために家を出たら、気分が明るくなり、クルマを運転して自分1人の時間が持てたことが嬉しく感じられたぐらいです。

そして、家族のストレスも医師に話したら、胸のつかえが取れた感じでほっとしたぐらいでした。誰にも話せない愚痴を話してすっきりしたのです。



飲まなければならないような困った症状はないのに、それでもとにかく躁うつ病なのか、薬を飲んで大丈夫なのか、と心配しましたが、薬を飲まなかったら、躁うつ病の症状が出るのかと心配になり、薬は飲みました。

躁うつ病と言われたから、仕方なく飲んだ、それだけなのです。



平成7年11月12日。

塩酸アミトリプチリン(トリプタノール)25m×2(三環系抗うつ薬)

エチゾラム(デパス) 1mg(抗不安薬)

炭酸リチウム    100mg

1日に3回、これを服用するようにいわれました。薬を飲んでも特に変わった症状は起きませんでした。

11月の末に郊外学習に出かけた時に、歩くのがちょっと辛いと感じたぐらいでした。そして、2週間後、医師に「どうですか」と聞かれ、

「どこも悪くないんですけど」と話しましたが、薬をやめるとは医師は言いませんでした。



 それから4ヵ月、3月に入ると疲れを感じるようになりました。その話をしたら、薬を変えました。

レボメプロマジン(レボトミン)5mg(抗精神病薬・メジャートランキライザー)

炭酸リチウム200mg

トリプタノール25mg×

これを1日3回に変わりました。

この前にトリプタノールの代わりにイミプラミン10mgが出されています。

イミプラミンは1錠なのか2錠なのか覚えていません。これを処方された後、3月の末にはかなりのだるさを感じるようになりました。