精神医療の現場で、なにかたいへんなことが起こっているらしい、そんな危機感(最初はちょっとした危機感)からこのブログを始めた。

そして、ネットで調べたり、資料を読んだり、実際被害に遭われた方の話を聞いたりしているうちに、これはただごとではないという本物の危機感と、怒りを抱くようになった。

しかし、こうした実態を知らない人はまだ大勢いる。そして、その人たちにこうした現実を知らせたとき、どのような反応が返ってくるだろうか?

信じない人、反論する人、無視する人……さまざまだろう。

しかし、いずれにしろ、そこに大きく横たわるのは、向精神薬で被害を受けた「その証拠がないではないか」ということだろう。エビデンス(科学的根拠)の問題だ。

だが、もともと精神医学の世界に、エビデンスなどひとつもないのである。うつ病は脳の中のセロトニン不足によって起こるかのように喧伝されているが、それだって単なる仮説だ。だから、セロトニンを増やせばうつ病は治る(それがあたかも科学のような顔をしてまかり通っているが)ということで作られた抗うつ薬にしたところで、仮説の上での治療法である。

もともとエビデンスのないところに、それを覆すためのエビデンスなど存在するはずがない。

だから、どれほど話を積み上げていったところで、すべて空中楼閣、夢のような話になってしまう。

人は、目に見えないものを信じるか?

多くの人は、信じない、と思う。

(うつ病のセロトニン説は、それまで目に見えなかったものを、目に見える形で説明したからこそ、多くの人に受け入れられたのだろう。)

しかし、今の精神医療の世界で起こっていることを、目に見えるようにすることはできると思うのだ。

それは、やはり圧倒的な数の被害実例の提示ではないだろうか。

数の前には、偶然とか個体の特性とかは吹き飛んでしまう。否定するわけにもいかなくなってしまう。

こういう現実が、目の前に、これだけあります。

個々の事例に「証拠」はないかもしれない。しかし、人の心を動かすのに、これほど説得力のあるものはないはずだ。

そういう意味を込めて、私はブログのタイトルも、そのものずばり、「聞かせてください、あなたの体験」というものにした。

でも、その数はまだまだ、「圧倒的」というには程遠い。

読者になっていただいているアリスパパさんも、ブログの中で被害の報告を呼び掛けて、それを一つの証拠として厚生労働省へ働きかけている。政治が動けば、この問題はかなり前進するのではないかと期待している。アリスパパさんにはぜひ頑張ってほしいと思う。http://ameblo.jp/sting-n/archive8-201008.html#main

政治。そして、もうひとつは、やはり世論なのだ。

それにしても、いったい、この日本に、現在、どれほどの人が、向精神薬によって被害を受けてしまっているのだろう。

おそらく、ものすごい数だと思う。

しかし、「ものすごい数」では説得力がないのだ。

ここまでずっと書いてきたように、目に見えないものを信じない人たちをいかに説得するか。

精神医療による被害は現実に存在するのです。

それを「証明」したいがためにこのブログを書いている、ということも私の中には確かにある。

(それは私が被害の実体験者ではないということも大いに関係している。が、第三者という強みもあると思うのだ)。

何度も言うけれど、実際被害にあわれた方の、体験談にまさるものはない。その体験談の積み重ねほど説得力のあるものはない。

しかし、今現在、その被害に苦しんでいる人にしてみたら、自分のそうした経緯をいちいち報告するよりも、この苦しみからどうしたら救われるか、そちらの方が優先だろう。そのことも十分にわかったうえで、それでも、やはり、その苦しみが向精神薬による「薬害」であるということを証明するためには、一つ一つの事例が大切な説得材料になると思うのだ。

以上のことを踏まえて、あらためて、被害にあわれた方、どうぞメールしてください。

 Kakosan3@gmail.com