寒くなりましたね…!雪の結晶雪


そんな中読んだのは、ある夏のお話。晴れヒマワリ




蛇行する川のほとり/ 恩田陸


私は図書館で借りた「中公文庫」版で読んだのですが、今は版権が移ったのか、集英社文庫から出ているようですうーん



下矢印あらすじはこちら(文庫裏より)



「少女」たちが主役の、青春モノです…!


……一見(笑)。




女子校。美術部。憧れのお姉さまキラキララブ


といった、一見バリバリの花園もの(?)ピンク薔薇

思えますが、恩田陸さんなので


サスペンス要素強め ですグラサンキラキラナイフ




とはいえ


学園のマドンナ的2人の美しきお姉さま目がハートラブラブ


大人っぽく美人の同級生お願い


純粋なヒロイン


と、出てくるキャラ、4人の女子高生は



全員美女…!キラキラキラキラキラキララブ

美しきことは良きこと哉




ノスタルジー溢れる


「少女」たちの視点


で描かれた美しき夏の情景。


少女といっても幼児ではなく女子高生ですよ!




夏の強い陽射し。


夏休みの空気感。


子供の頃の思い出…



とにかく色々



映える


作品だなーと言うのが第一印象。




風景や、古い洋館での描写がとても美しく


読みながら、映像がかなり具体的に


浮かんできます。



なんなら、音や匂い、吹く風の感触まで


リアルに、ありありと感じられて。




演劇部の背景画制作のため


ヒロイン毬子は


夏休みに、憧れの先輩  香澄の家


一一川のそばの古く素敵な洋館

通称「船着き場のある家」


で、香澄の親友でもある芳野

(これまた香澄さんとは違うタイプの美女)


と共に、3人で女子合宿をするのですが



そこに過去の「ある事件」が絡み…。




少女たちがまだ本当に幼かった時の


「過去」  と  「現在」。


一体、「過去」に何があって


真実は何なのか…




物語は


全3章+エピローグ


から成るのですが


それぞれが


毬子

芳野

毬子の同級生の真魚子(まおこ) 


そしてエピローグは香澄


の視点から語られます。




お話の中で、芥川龍之介の「藪の中」

が出てくるので


「藪の中」は、ある殺人事件を様々な語り手が

様々な角度から異なる証言し

どれが真実なのか…と謎が残る作品

「真相は藪の中」の語源らしい


これも同じ手法なのかな…?キョロキョロ



と思いきや



こちらは確かに各章の視点は異なるものの


きちんと最後には真実が分かるようには

なっているので、モヤモヤが残ることはないです。




麗しい少女小説〜ピンク薔薇音符



と思って読んでいると




かなりショッキングな展開



でびびらされますのでご注意を。笑泣き笑い


さすが恩田陸さん…!容赦ねぇわ




でも、美しいです。



なんというか、空気感が


本当に、昔懐かしい…というか


甘酸っぱく


どこか切ない


「少女だった時代」の美しさ



物語全体に漂い、覆っていて…



正直、男性が読んだら、どんな感覚なのかは


予想がつかないのですが


女子校育ち・かつ池田理代子さんの

「おにいさまへ…」

みたいな世界観が大好きな私には


大好物


な、ちょっとだけセンチメンタルな気分になる


淡く優しい物語でした。


あの「ベルばら」の池田理代子さんの耽美少女漫画!

昭和のバラとフリルの少女世界観、大好きですチュー



この寒い冬に読むもまたよし、


夏の盛りに、小説内の「夏休み」と

どっぷりシンクロして読むもよし。



どこか懐かしさを感じる、美しき小説でした!





さて、2024年は


どんな本との出会いがあるのかな…ピンクハート