本日はこちらを読了。
木洩れ日に泳ぐ魚 / 恩田陸
いやー…。
思ってたんと
全然違ったわ(良い意味で)
あらすじはこちら↓↓↓(文庫裏より)
なんかね…
とんでもないミステリー
かつ
切ない恋愛小説
でした。
はぁ…。思わず嘆息…
(なんか凄いもの読んで魂抜け気味)
登場人物は2人だけ。
1人の男と、1人の女。
各章は、それぞれの視点で
交互に語られていくスタイル。
それがさー、最初は
全くもって抽象的で
何もかもが漠然とした所から始まって
最初はこの男女の関係性や、
語られている内容の
具体的な事が何も分からない。
わー、なんかこの抽象感溢れる
ややアンニュイな空気は
村上春樹ぽいね…
とか感じながら読み進めていくと
徐々に、
本当に徐々に、
少しづつ状況が見えてくる。
この、すごく引きの、遠い画角から
徐々に細部が浮かび上がっていく
ズームアップの仕方が鮮やかすぎて
匠の技や…
これはほんとに読みながら震えた…
おぅ…凄いわ…と、この技法に感心していると
突如顕になる
衝撃の事実の連続…
マジで中盤からの怒涛の事実の表出内容が凄まじい…
ぎゃー、何コレ、内容濃すぎぃぃ
てか重すぎぃ…
この時点で、もう完全に読者は
恩田陸氏の手中です。
そこからは、あらすじにあるように
心理戦…というか
各々が自身の内面を見つめるようなパートが
続くのですが
これがまた
何て素晴らしい分析力的確
あああああ分かる…うんうんうんうん…
そうだそうだ!
よくぞこの感覚を言語化してくれた!
の連続で
恩田さんて、この
「一般人は言語化しようとはしない感情」
や
「当たり前すぎて普段気にも止めない何か」
を
言葉にするのが本当にお上手で…。
ミステリー的な側面も強いんだけど
テーマは恋愛です。
でもネタバレになるので
これ以上は言えねぇや。。
何も具体的な事が書けないのがもどかしい…!
あらすじのところには、
長編
と書いてありますが、中編、です。
決して分厚くは無い本なので、
これは一気に読むのがオススメ。
私は細切れ読書になってしまいましたが
出来ることなら
あまり間を開けずに
一気に読み進めたほうが、
臨場感というか
細やかな心理状態の流れや、細部の表現が
より効果的に味わえます。
一晩のお話だしね。
いやー…
恩田陸すごいわ
知ってたけど
なんかもう設定とか
描写とか
結末とか
全てが凄い…
語彙力なくてすんません…
この作品、もっと有名になってもいいと思う。
内面的な描写や回想がメインなので、
そしてそこがこの小説の醍醐味なので
映像化には向かないけど。
小説だからこそ、描けた世界
の尤もたる例で
他の何にも似てない作品。
思ってたんと違う、てのはそういう意味で
予想がつかなったのですよ…
こんな小説、他に知らない!!
あのですね…
これから読む方は
多分今われわれ一般人が考えている想像を
はるかに軽く超えてくる設定
なので
心して読んでくださいませ
ユーミンとか、夏目漱石とか
小説内に出てくる引用も、的確すぎだし。
そして最後は
ちゃんと、朝が来る
のでご安心ください。
明けない夜はない、のです…!