それは医者のやることなのか | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

 

■てしまクリニック 9月の診療について

●9/14(木)午後

スタッフの人員不足のため、上記日程において受付人数の上限を設定させていただきます。
受付人数が上限に達した場合、時間内であっても受付を終了いたします。

●9/30(土)午前 一般保険診療休診
都合により、保険診療の受付を休止いたします。

ご不便をおかけし大変申し訳ありませんが、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

こんにちは。

もものマークのクリニック 院長てしまですニコニコ

 

近頃

 

うーーーーむえー?

 

と思ってしまう出来事に遭遇しました。

 

蕁麻疹の再発で久々に受診した患者さん。

なにか(蕁麻疹が出るようなことに)心当たりはありますか?

とお尋ねしたところ

 

「関係あるかどうかわからないのですが...」

 

と前置きされてから

 

「少し太ってしまったもので、ダイエットに効果があるというお薬をオンライン診療で送ってもらって飲みました。」

 

と、教えてくださいました。

詳しくお話を伺うと、その薬は2型糖尿病の治療薬として、保険診療で処方される内服薬。

 

患者さんは、保険診療ではなくオンラインの自費診療で薬を購入されたそうです。


ただ、内服を開始した時期と蕁麻疹の再発した時期のタイムラグを考えると、薬のアレルギー症状としては典型的では無い印象。


さらに詳しくお話を伺うと、内服を始めたら軽い下痢症状が出るようになった、とのこと。


腸管は人体内で最大の免疫器官だとも言われており、便通のバランスが崩れる(下痢でも便秘でも)ことが引き金となって蕁麻疹が始まることは、しばしばあります。


生活上の変化は、その他に無かったということなので、今回の蕁麻疹はお薬による下痢が原因だったのかもしれませんね、とお話ししました。


そういえば


糖尿病の治療薬を、健康な人のダイエット用に販売していることが問題視されている


という話、以前に聞いたことがあるなと思い出し、診察後に検索してみたところ、ありました。

 

”自宅で完結?手軽に痩せられる?痩身をうたうオンライン美容医療にご注意!”

https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200903_1.pdf

 

この記事で取り上げられているのは注射型のお薬ですが、今回の患者さんが購入された薬も系統としては同じもの。


さらにネットで調べてみると、同じ内服薬をダイエットや体重減少目的で自費処方している施設のホームページも多数滝汗

しかも、概ね良いことしか書かれておりません。


お薬の保険適応外使用は、自費診療でしばしば行われるものではあります。


ただ、血糖値のコントロールについて、医者と言えども完全に門外漢な私としては、正直なところ糖尿病の薬を気軽にホイホイ処方する気にはなれません。


魅力的な言葉が羅列され、『医師の勧めるダイエット』と称されたら、一般のかたはどうしたって心動かされます。


自費診療でこういった薬を取り扱っている施設は、その辺り、どれだけ自信を持っているのでしょうか?

患者さんがトラブルを訴えたとき、真摯に対応する心構えはあるのでしょうか?


もしもそれらの備えが無いのであれば、それは医者のやることなのか


疑問を禁じ得ませんでした。