医者の評価は難しい | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

 

■てしまクリニック 7月の診療について

7/23(日)〜26(水) 夏季休診

上記期間、クリニックは休診いたします。

7/27(木)より通常通り診療します。

 

こんにちは。

もものマークのクリニック 院長てしまですニコニコ

 
本日水曜は休診日。
 
の、前日である昨日のこと。
とある都内の病院の、地域医療支援課の職員さんが当院を訪れて
「地域医療連携、いかがですか?」
というご案内のパンフレットを置いていってくださいました。
 
その中に、ちょうどwebセミナーの案内チラシも入っており、内容に興味を引かれたので申し込みました。
前日だから間に合うか知らんと心配していましたが、本日無事参加できた次第。よかった(でももう少し前に案内は欲しかった泣き笑い)。
 
講演は
『あるく』を支える
というテーマでの開催3回目とのことで、今日の演者はその病院の皮膚科の先生。
 
その中で、下肢の蜂窩織炎を取り上げた部分がありました。
蜂窩織炎とは、皮膚と皮下の組織に炎症が生じ、赤く腫れたり、熱を持ったり、痛みを伴ったりする病気です。
多くは細菌感染が原因で発症するため、抗生剤を内服や点滴で投与する必要があります。
 
炎症が強いと発熱や倦怠感などの全身症状が出ることもあるので、入院が必要となる場合もあります。
 
下肢の蜂窩織炎の場合、足を下げると腫れや痛みが出やすいので、ベッド上で安静にしているほうが患者さんにとって楽な場合も少なくありません。
 
ただ、注意しなければならないことがひとつ。
 
特に高齢の患者さんの場合、安静期間が少し長くなっただけでも、一気に体力が落ちて、立てなくなったり、歩けなくなったりと、生活自立度が爆下がりしてしまうリスクがあるのです。
 
そのため、演者の先生は
「入院するや否や、退院後の生活を見据えた調整を始めるようにしている。」
とおっしゃっていました。
 
また、下肢の蜂窩織炎の場合、細菌感染は収まっても、腫れや痛みが長く続くものであることを前もって説明し
急性期を越えたら、可能なところから離床や歩行をどんどん促すようにするのだそうです。
 
「まだ腫れているし、痛みも消えていないから退院はちょっと...」
と渋る患者さんにも
「『足の蜂窩織炎はそういうものですし、入院期間が長くなっていいことなんてないので、痛くても退院されたほうがいいのですよ』と強く話しています。」
と、あえての塩対応であるとのお話でした。
 
「(地域連携施設の)皆さんのところで
『まだ足が腫れて痛いのに、あそこの医者から退院させられた!』
と愚痴をおっしゃる患者さんもいらっしゃるかもしれませんが、こういう理由なので
まあまあ、患者さんのための判断なのですよ、と、どうか話してさしあげてください。」
 
苦笑いを交えつつ、そんなこともおっしゃられました。
 
医者って、患者さんにとって耳ざわりのいい言葉かけや、快適な提案だけをしているわけにはいかない仕事です。
時には治療のために、不快に感じることを強いる場面だってあります。
 
もちろん、説明不足が過ぎる医者も少なからずいるとは思いますが
説明の過不足って、片側だけの問題ではないことも多々なのは、私自身日々の診療を通して感じるところです。
 
医者の評価って、難しいよね真顔
 
と、セミナーの話を聴いて、改めて思った夜でした。


こちらダンボールにギッチギチの猫でございます