お母さんのための湿潤治療講座~擦り傷編① 家庭では~ | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

突然ですが、みなさん。 最後に擦り傷作ったのって、いつですか?

というのも、擦り傷って、子供のころには本当にしょっちゅうこしらえていたように思うのですよ。
たたたたーっと走っては、ずべっと転んで、両膝すりむいて、べそをかくしょぼん
下手すると、前に転んだ時の擦り傷が治らないうちにまた転んだりして。

・・・・あれ?私がトロかっただけかしら??汗

何はともあれ、子供にとって擦り傷は、怪我の中でも特に日常茶飯事なもののひとつですよね。

小さな子供(イメージとしては未就学児童くらい)の擦り傷は、
よほどのことがない限り、たいてい、どんな方法で治療しようが、あらかた綺麗に治ります。

たぶん、体重が軽いことや、
そうそうスピードの出るようなハードなことをしない(できない)のが理由なのでしょう。
あまり深い擦り傷に出会うことがありません。

消毒はせずに(これ湿潤治療では大事!) すぐに水道水で洗って、
持っているならハイドロコロイドの保護剤(キズパワーパッド的なもの)を貼っておけば
治療としては100点満点合格
3日もすれば綺麗に治ります。
浅い擦り傷なら、それこそハイドロコロイドなんて高級(?)なものを使わず、
普通のカットバンで保護するだけでも治りますし、
痛くなければかさぶた作ったって構いません。どうせ治るんだから。

ただし、子供がある程度大きくなり、活動性も上がってくると、
ぱっと見普通のすり傷でも、結構深くいっちゃっていることがありますガーン
こういうときは、医者にかかっておいたほうが無難です。
目安としては

・ かなりのスピードで転んだ、落下を伴っていたなど、傷にかかるエネルギーが大きかった爆弾
・ 擦り傷ではあるけれど、血がダラダラでている叫び
・ 軽く洗ってみたけれど、なかなか汚れが取れないむっ

特に最後の「汚れ」は問題で、
汚れた状態に、いきなり 「湿潤治療だ!」とハイドロコロイドシールで閉鎖しちゃったりすると、
かえって感染の危険が上がってしまいますショック!
それに、アスファルトの粉などが巻き込まれたまま傷が治ってしまうと、
傷跡に粉が黒~く浮かぶ
 「外傷性刺青(いれずみ状になってしまうこと)」
の状態になることもあせる
こうなると、ホントのいれずみ同様、
消すにはレーザー治療や手術が必要になります。

擦り傷程度で病院に行くのは・・・・なんて遠慮しないほうがいいですよ。


さらに、ある程度大きくなった子供(とくに男子)にありがちなのが
知らないうちに擦り傷をこしらえて、
黙っていたらだんだん痛くなってきて、
いよいよ困って親に相談(もしくは見つかり発覚)
というケース。

こういう場合、傷のところには固まった浸出液やら汚れやらががっちりこびりついて
「ガビガビ」
としか表現しようのない怪しい物体が付着していることが多い。
お母さんもびっくりして
「あんた何で黙ってたのーーーーーー!!!?プンプン
と怒り出すこと請け合いですが、
まあ、そうやって怒られるのが嫌だったのでしょう。たぶん(笑)

クリニックに連れてきてもらえれば、もちろん診察も治療もいたしますが、
この年頃の男子(もう決めつけてる)は、たいていビビリでもあります。
ああだこうだ言って、引っ立てるのも一苦労。

う~ん面倒くさい。家で何とかならないものか、と思ったお母さんのために、
『ご家庭でできるガビガビ除去方法』
を伝授いたします。

まずは、ガビガビ部分をたっぷりの水で洗う。お風呂上がりなどもグッドタイミング。
続いて、上から白色ワセリンを盛る。
その上に食品用のラップを当てて、テープでずれないように留め、
あれば包帯などで固定する。

このまま半日~1日くらい置いておくと、
「ガビガビ」がふやけてきます。ふやけ方が足りなければもう1回繰り返す。

ふやけたところをシャワーなどで流しながら軽くこすり、
こすり落とせたらお母さんの勝利クラッカー

ガビガビの下からは、たいていまだふさがっていない擦り傷が顔をのぞかせるはずなので、
改めて、ハイドロコロイドシールを貼ってやってください。
後は若者の治癒力で、速やかな治癒に至るものと思われます。


さて、続いての擦り傷編②では、
クリニックに来た深めの擦り傷さんが、どんな治療を受けるのか
説明させていただきますねべーっだ!