こんにちは。

宮崎県の親業インストラクター甲斐恵美です。

 

 

 昨年の、小・中・高校生の自殺者数が過去最多だという悲しいニュースが聞こえてきました。

 

 

国は、子どもたちには相談することを呼びかけています。

 

 

でも、「相談する」という行動をとるって大人でも難しい。

 

 

ここでは、相談ではない子どもの話を、親が「能動的に聞く」ことで、

 

 

息子さんの自殺を防ぐことができた事例を紹介します。

 

 

 

 

 実はきのうの夜のことですが、大学生の息子が

 

珍しく、居間で新聞を読んでいる私のまわりを

 

ウロウロするものですから、何気なく声をかけたんです。

 

そうしましたら、「ウン」とか言いながら「学校がつまらない」というようなことを口にするので、

 

私は「能動的な聞き方」をしてみるいい機会だと思い、新聞を読むのをやめて、聞き始めたのです。

 

 息子はいろいろしゃべり出して、何と気がついたら、もう外は白くなって、明け方になっていたんですね。

 

私はびっくりして、「おい、もう朝だ」と息子に声をかけました。

 

すると息子が突然、涙をポロポロ流しながら、

 

「ああ、お父さんとこんなに話ができるなんて、思ってもみなかったよ。

 

オレ、何だかスッキリして・・・・・。よかった・・・・・

 

本当は、オレ、自殺しようと思って・・・・・。

 

遺書だって書いたんだ。ホラッ」

 

そう言って、「遺書」と書いた紙をポケットから出して見せたんです。

 

 私はもう、思いがけないことで、ビックリして・・・。

 

まさか、こんなことがあるなんて。

 

まさか自分の息子がそこまで追いつめられているなんて、思いもよりませんでした。

 

それに、もし私が、実際「能動的な聞き方」ができていたかどうかわかりませんが、

 

それでもそういうものを知らないで、今まで通りに、

 

「やれ息子が軟弱だから」とか

 

「そんなに弱気ではダメだ」とか

 

「男だからしっかりしろ」と言ったようなことを言っていたらと思うと・・・・・・。

 

本当に親業に助けられましたッ!

 

 

 

近藤千恵/著「親業」に学ぶ子どもとの接し方より

   

 

 

 

親業訓練で学ぶ、「能動的な聞き方」は、

 

 

子ども(相手)がいやだ、困ったなどマイナスの感情を持っている時に、

 

 

子どもが自分で問題を解決できるように、

 

 

子どもの気持ちを理解しようとする聞き方です。

 

 

 

「能動的な聞き方」を学んだ親の中には、

 

 

・不自然だ

 

・慣れないからできないわ

 

・子どもがヘンに思わないかしら

 

 

といった反応をする人もいます。

 

 

 今まで説教、非難、提案、といった、親の側が言いたいことを言ってきた習慣があれば、

 

 

急に子どもの気持ちに目をやることについて、

 

 

こういう反応があったとしても不思議とは言えないかもしれません。

 

 

でも、相談を受けるつもりもなく、子どもの気持ちをただただ能動的に聞くことで、

 

 

こんな体験をした方もいたんですね。