仕事中に

50代の男性上司を泣かせてしまった。


彼は泣きながら帰ってしまった。


仕事を放棄して

きちんとした勤怠手続きも行わず


就業中の13:30。

荷物をまとめて帰ってしまった。


嫌な仕事は他の人を呼び付けてさせて

自分は後からついて行き、


さもやったかのように振る舞う彼。


ミスを連発するのに反省をしない。


同じミスを繰り返す。


何も覚えない。


かろうじて覚えたことも

もって翌週には忘れる。


とにかく彼からは

この仕事が大嫌いが溢れ出ている。


害でしかないこの人を

上層部の人事権を持つ女部長は


いたく気に入っていました。


少し(本当に少しだけ)

見てくれがいいのと


財閥系の出自と

中途半端な学歴のせいでしょう。


無能な坊ちゃん(50代)が服を着ている。


この無能は数年間、

女部長の力により

役職がついたポジションにいました。


今年に入ってから

目に余るいい加減な仕事っぷりに輪がかかり


現場の様々な方面からの働きかけにより


今春に彼は役職を降ろされ

平社員になりました。


40代の私は


部署の中では1番若く、

さらに1番在職が短い。


しかしながら日々職務に邁進し、

部署内のことはほぼ把握しており、


プライドを持って働いているので

最近では周りからの信頼も得られ、

他部署ともいい関係性を築けています。


そんな私を

無能な坊ちゃんが面白く思っていない事は

ずっと知っていました。


1番古株の彼のいい加減な仕事を

周りは見て見ぬふりをし

フォローし尻をぬぐってきたせいで

彼は増長し今の仕上がりなのです。


それで先日。


大きな事故になりそうな手前の状況で

私は彼を咎めました。


咎めるというか、

注意喚起と改善の要求です。


彼は聞く耳を持たず、

その場から立ち去りました。


私は数回にわたり、

食い下がりましたが、


うっせぇんだよ!知らねーよ! と、

バカしか吐かない言葉を繰り出しながら

部署内を縦横無尽に逃げ回り、


やがて消えました。


後から同僚が

『あいつ食堂で泣いてたけど何どうした?』

と、近づいてきて


イライラするから帰りたいって

あいつが言うから


帰れば?って言ったよ、と

教えてくれました。


もともといても邪魔だし

いない方が仕事も回るので


誰も彼がいなくなったことを

なんとも思っておらず、


「彼は拗ねて帰った」

それだけ情報共有されました。


荷物が全部なくなっていたので

もしかしたら明日から来ないのかな?


シフト大変になるけど

とっかかりは私との諍いだし、


休日出勤もやむを得ないかな、と

少し覚悟をしたのですが。


彼はしれっと翌日から出勤し、

周りは度肝を抜かれました。


実はその少し前に


私と数名が女部長に呼ばれ、


あまり彼を追い詰めないように、

直接咎めたりせず、

問題があれば私(女部長)に言って頂戴、


彼は少しメンタルが弱いから、という


トンチンカンな指導を受けていたのですが


まるで

あの日の癇癪逃亡早退は

なかったかのように


説明も謝罪もなく

存在できるその彼のハガネのメンタルの、


何を以て女部長は

彼を繊細だと捉えているのか


皆目見当もつかない異次元な話。


どんなに理不尽であろうとも

中年ばかりが集まったこの環境で


遁走職場放棄が許されるはずなかろうが。


さすがの女部長も

庇い立てするにも骨が折れるようで


今のところ

私へのお咎めはありません。


むしろこの件には一切触れず

闇に葬ろうとしています。


このタイミングで

ストレスチェックがやってきました。



マークシートを潰しながら


仕事上の唯一のストレスである彼と

女部長の顔が度々浮かびましたが、


おそらく彼も

邪魔な存在である私の顔を浮かべながら


粛々と質問に答えているのかと思うと


なんだか哀れで

気の毒な気持ちになるのでした。